フォルクスワーゲン・パサート 2.0 TDI 140 オールトラック
公開 : 2012.02.24 13:04 更新 : 2017.05.29 18:59
■どんなクルマ?
フォルクスワーゲン・パサート・オールトラックは、高くなった車高や、ゴツゴツとしたルックスが目に付くが、何よりも重要なのはその駆動方式に4WDシステムが与えられたことだ。このオールトラックは、既存のパサートのような乗用車と、本格的なオフロードSUVとのギャップを埋めるモデルだという。
英国に関する限り、オールトラックは2つのモデルが用意されている。共に2.0TDIターボ・ディーゼル・エンジンを搭載するが、ひとつは138bhpに6速マニュアルと言う組み合わせ、168bhpに6速DSGデュアル・クラッチ・ギアボックスという組み合わせだ。
両モデルともにVW Hadlexベースの4モーション 4WDシステムを持ち、オフロード能力を高めるために様々な装置が組み合わせられる。サスペンションの最低地上高は135mmから165mmまで上がり、バンパーのデザインも見直された結果、アプローチアングルは16度、デパーチャーアングルは13.6度となった。切り替え可能なヒル・ディセント・コントロール・モードを選択すると、ABSとEPSのレスポンスが変わり、スロットル・マッピングがソフトとなり、更にDSGモデルではギア・シフト・パターンも変更になるという。
■どんな感じ?
パサート・エステートよりも僅かに高いが、驚きに値するほどではない。そして、よくできたインテリアがドライバーを迎えてくれる。CCが独立してしまってパサートのネーミングを外した今、フォルクスワーゲンはオールトラックをパサートのメインモデルにしようとしている。オールトラックは、アルカンタラのトリム、デュアル・エアコン、タッチスクリーンの衛星ナビなどを装着し、その価格も妥当だ。
確かにパサートはエンスージァスティックなドライバーのチョイスにはならなかったモデルかもしれない。しかし、その円熟した潜在能力の高さを否定することはできない。とりわけ、オールトラックではオフロードでの能力が強化されているのだ。
アウトバーンを走行する速度での、ロードノイズは改善されている。それはオプションの18インチ・タイヤのせいもあるだろう。高くなった車高にもかかわらず、ボディ・コントロールは素晴らしい。特に凍ったジャンクションやラウンダバウト、濡れたアルペン・ロードなどで優れた足を披露してくれる。
オーストラリアのアルペン・ルートの氷と雪で覆われたオフ・ロードを試しに走ってみたが、オールトラックは実に印象的だった。スイッチをオフロード・モードにすれば、注目に値するトラクションと、目を見張るようなストッピング・パワー、そして必要としないほどの安定したブレーキングを見せてくれる。
■「買い」か?
もし、あなたが洗練された4WDモデル、それも仰々しいSUVを望まないのであれば、このオールトラックは精密で、リラックスしたドライブが可能な最適な1台といえる。
しかし、それは安くはない。フォルクスワーゲンUKは、7月に発売を開始する138bhpのマニュアル・モデルで28,500ポンド(360万円)、DSGモデルはそれに2,500ポンド(32万円)のプレミアム・コストが掛かると発表している。本当に4WDが必要なのかどうかを考える必要はあるだろう。もしそれに「YES」と答えられるのであれば、手に入れるべき1台ということができよう。
フォルクスワーゲン・パサート 2.0 TDI 140 オールトラック
価格 | 28,500ポンド(360万円) |
最高速度 | 198km/h |
0-100km/h加速 | 10.9秒 |
燃費 | 16.6km/l |
Co2排出量 | 150g/km |
乾燥重量 | 1706kg |
エンジン | 直4 1968ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 138bhp/4200rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/3200rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |