MADE IN ITALYの意味、アルカンターラ社CEOの言葉
2016.10.19
「アルカンターラがクルマの魅力を高めると答える人が、70%を占めている」 これはある調査機関のマーケット・リサーチ結果である。
アルカンターラ®素材を製造販売している世界唯一の企業、伊アルカンターラ社は、東京都千代田区の帝国ホテルで年次記者会見を開催した。
近年、自動車産業、とりわけ中国と米国で力強い成長を続ける理由について、同社のアンドレア・ボラーニョ会長兼CEOは「“メイド・イン・イタリア” であること自体が強力な価値」という見解をしめした。
アルカンターラにとって「メイド・イン・イタリア」とは、ハイテク製造プロセスと職人の技とを融合させる独自能力であり、「メイド・イン・イタリア」であることが競争戦略の重要なポイントになるというのだ。
くわえて、製造過程における素材の特殊な仕上げをイタリアの中小企業ネットワークと協力することで、アルカンターラもまた「メイド・イン・イタリア」に貢献していると語った。
近年では自動車の内装にとどまらず、高級ヘッドホンなどの音響機器、パソコンの筐体などにアルカンターラの採用が進んでいることに関連して、そうした「テイラーメイド」についても同社独自の考え方を明らかにした。
「テイラーメイドとは高度なカスタマイズであり、特別なソリューションの開発能力を意味しています」
具体的には、カスタマイズのプロセスにおいては、アルカンターラと最終的な顧客との間に第3者である協力メーカーを経由するが、その場合でも製品はアルカンターラが完全な責任を負っているという。そのことを引き合いに出し、「さまざまな作業をすべて統括するその能力こそ、アルカンターラが他社と差別化される要因になっている」と分析した。
もともとは東レの技術を引き継いだアルカンターラであるが、それを独自に進化させてマーケットにおける唯一無二の評価を得るにいたっている。そのことは、こうしたカスタマイズの能力が裏付けていると、今回の会見を聞いて気づかされた。