レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルHSEダイナミック
公開 : 2016.10.24 05:55 更新 : 2017.05.29 19:18
■「買い」か?
イヴォーク・コンバーチブルはドライブしての魅力があることに触れたが、当然、オープン・ドライビングが出来るのが最大の特長だ。クッションが入った耐候性が高そうなソフトトップは48km/hまでなら走行中に開閉可能。サイドウィンドウの開閉も連動して行われる。つまりボタンひとつで完全なフルオープンに出来るのだ。
フルオープンの走行時に感心したのは、ウィンドシールドが比較的低く抑えられていることだ。クルマによってはウィンドシールドを寝かせて前席乗員の頭上を覆うような位置まで長く伸ばした設計がある。イヴォーク・コンバーチブルでは角度は立てぎみにして、前後長も抑えている。ここがすばらしいと僕は思う。なぜならちらりと横目で見たときウィンドシールドの上に空が見えるからだ。これこそオープンエアドライブの醍醐味だと思う。
イヴォーク・コンバーチブルではそれでいて風の巻き込みは抑えられている。法定速度で高速道路を走った場合、前席ならサイドウィンドウをおろしていても風の影響を受けることがほとんどない。上手な設計だ。
フルオープンの状態で常に走れてしまうことのメリットは、美しい内装を自慢できることにある。レンジローバーの美点は造型とともに、みごとなカラースキームと素材を使った内装にある。それは僕だけの発見でなく、読者もよくご存知だろう。たとえばルナという濃いグレーと象牙を意味するアイボリーの組み合わせでシックにいくのも最高だし、唐辛子を意味するピメントという赤色系とエボニー(黒檀の意)の組み合わせはぜいたくだ。
実用性においても評価は高い。後席は身長175cmの男性が2人並んで座っていられるスペースが確保されている。独立した荷室は容量251ℓなので旅行でも問題ない。スタイリッシュであり操縦性も高いが、スポーツカーと違うのは実用的な機能が充実しているところにある。オフロードが走れるスポーティなコンバーチブルという希有な魅力を備えているのだ。
書き忘れていたが、ソフトトップを閉めたときの美しさも特筆ものだ。リアの傾斜角度も入念の計算されているかんじで、クーペと比肩できる審美性を感じさせる。幌の色のバリエーションについて情報がないのだけれど、もしブラックしかなくてもそれはそれでよい。本来英国では幌は紳士用のカサと同じで存在してはならないもの、ゆえに黒となっていたからだ。歌舞伎の黒子みたいである。僕は初代ゴルフ・カブリオレの幌を閉めたときの姿がスタイリッシュでいまでも好きなのだが、それを思い出した。いいクルマが登場した。
レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルHSEダイナミック
価格 | 7,650,000円 |
全長×全幅×全高 | 4835×1900×1650mm |
ホイールベース | 2660mm |
乾燥重量 | 2020kg |
エンジン | 直列4気筒1998ccガソリン・ターボ |
最高出力 | 240ps/5500rpm |
最大トルク | 34.7kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 9速マニュアル |
サスペンション | マクファーソン・ストラット / リンク・ストラット |
ブレーキ | 4輪ベンチレーテッド・ディスク |
ホイール+タイヤ | 8.0J x 20+245/45R20 |
燃費(JC08モード) | 9,6km/ℓ |
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