フィアット124スパイダー
公開 : 2016.10.26 05:50 更新 : 2017.05.29 18:51
■プロローグ
“2対のボンネットの隆起はオリジナルの124スパイダーへのオマージュ。かつては大きくなったエンジンを収めるための膨らみであったが現在は……?” ― マット・プライヤー (ロードテストエディター)
あなたがこのクルマをどのように捉え、どのような印象を抱いているかはひとまず置いておいて、フィアット124スパイダーの登場はグッドアイデアだったと、わたし自身は思っている。
なぜならフィアットは、500以外に売るクルマを持ちあわせていなかったからだ。いちおう「ティーポ」なるモデルも復活したが、あれはマーケティング上の意図もあっただろう。だから124という小さなスポーツカーを作ったことはよい判断だった。
特にアメリカのマーケットは、124スパイダーの登場を喜ぶはずで、だからこそかつて親しまれた124スパイダーの名をつけたというのもあるだろう。
ただ、マツダがMX-5を1990年代から継続的にラインナップの支柱としているのに対して、フィアット・バルケッタやアルファ・ロメオ・スパイダーは浮かばれない時期が少なからずあった。
よって、現行の124スパイダーの投入は、フィアットにとっての正念場といえよう。
オマージュのオンパレードで、MX-5の影に居続けるしかないか、あるいはトリノのアイデアが正しかったかどうか? いざテストをはじめよう。