フィアット124スパイダー
公開 : 2016.10.26 05:50 更新 : 2017.05.29 18:51
■特徴
“ブラボー、フィアット! トランク・フードを開けるためのスイッチをMX-5の位置から移設した点をまずは褒めたい。ほかにも同じような配慮があればいいのだが” ― ニック・カケット(ロードテスター)
124スパイダーとMX-5を見間違えるひとはいないだろう。たしかにシャシーや内装は共通パーツが目立つが、ボディ・パネルは1枚として同じものを使っていないからである。プロポーションは確かに似ているものの、全長がMX-5より長いのは一目瞭然だ。
デザインはフィアットが独自でおこなった。500ほどオリジナルと似てはいないが、リアのフェンダーなど、ヴィンテージ・モデルの要素を積極的に、しかも賢く取り入れていることはよくわかる。
真のスポーツカーといえるかどうかは、より客観的な見方をしなければならないが、すくなくともAUTOCARのテスターのなかで、124のデザインを「不快だ」という者はいなかった。
ボディ・キットやターボチャージャーが加わっているにもかかわらず、車重が1125kgに抑えられているのもよいではないか。と、思う。
ここ英国では、MX-5には1.5ℓの自然吸気ユニット(131ps)と2.0ℓの自然吸気ユニット(160ps)が組みあわせられるが、フィアット124スパイダーは1.4ℓの「マルチエア」ターボ・ユニット(140ps)の一本立て。アバルト版が同エンジンの170psを発揮するタイプを搭載する。
1.5ℓのエンジンを搭載した標準のMX-5と同じくLSDは組みあわせておらず、ダンパーもビルシュタインではなくスタンダードなものとなる。
サスペンションは4本とも独立式で、セッティングは124用に改められている。形式はマツダと同じくダブルウィッシュボーンとマルチリンク。ステアリングはデュアル-ピニオンの電制方式。
ギア比は異なるが、ほかのメカニカルはMX-5と同じ。プラットフォームも特に改められておらず、製造は日本の広島県でおこなわれる。