メルセデス-AMG E63を公式に発表
公開 : 2016.10.26 04:40 更新 : 2017.06.01 00:34
メルセデスの4ドア・サルーンとしては最速のモデル、第3世代となるメルセデス-AMG E63がロサンゼルス・モーターショーのワールド・プレミアを前に公開された。トップ・モデルのE63 S 4Matic+は、0-100km/h加速が3.4秒と公式にアナウンスされるスーパー・サルーンである。
公式にワールド・プレミアされるのは11月半ばに行なわれるロサンゼルス・モーターショーで、デリバリーは来年の第1四半期となる。
その心臓となる4.0ℓV8ツインターボ・エンジンは、最近のAMGモデルと同様に2種類のチューニングが用意される。標準モデルとなるE63 4Matic+は、570ps、76.3kg-m版が、E63 S 4Matic+にはターボチャージャーのプレッシャーを上げるなどのスープアップをされた611ps、86.5g-m版が搭載される。ライバルとなるBMW M5コンペティション・エディションに搭載される4.4ℓV8ツイン・ターボの600ps、71.3kg-m、アウディRS6プラスの4.0ℓV8ツインターボの605ps、76.5kg-mを上回る数字である。
また、旧型のE63に搭載されていた5.5ℓV8ユニットに対してもスタンダード・モデルで14ps、4.0kg-m、Sモデルで26ps、5.1kg-mほどアップしている。
AMGとしては初となるツイン・スクロール・ターボをこの4.0ℓV8に装備した。これによってブースト特性を改善し、スロットル・レスポンスを向上させているという。
更に、AMGシリンダー・マネジメントが組み込まれているのも特徴。コンフォート・モードに設定した場合、1000rpmから3250rpmの間は4つのシリンダーが休止する仕組みだ。更にコンフォート・モードでは60km/hから160km/hまでの間、エンジンとギアボックスを分離して燃費を向上させるコースト・ファンクションも使用可能だ。ちなみに、ドライビング・モードは、コンフォート、スポーツ、スポーツ・プラス、インディビデュアルの4つが選択できる。なお、E63 S 4Matic+には、第5のモードとしてレース・モードも用意される。
ギアボックスは、9速スピードシフトMCT(マルチ・クラッチ・テクノロジー)で、ウェット・スタート・オフ・クラッチとパドル・シフトを備える。ディファレンシャルは、E63 4Matic+にはメカニカルが、E63 S 4Matic+にはより反応の早い電子式が採用される。
0-100km/h加速は、E63 4Matic+が3.5秒、E63 S 4Matic+が3.4秒、最高速度はリミッターで250km/hに制限されるが、オプションで用意されるAMGドライバーズ・パッケージを選択すれば、最高速度は300km/hにまでアップする。
4WDモデルであるが、オーバーステア・ドライブを愉しむことができるドリフト・モードと呼ばれるスイッチがある。パドルの操作によってスイッチを入れることができるもので、このモードにした場合、駆動力の全てがリア・ホイールにデリバリーされることとなる。
ブレーキは、フロントが6ポット、リアがシングル・ポット・キャリパーで、サイズはフロント、リア共にφ360。但し、E63 S 4Maticではフロントがφ390となる。また、オプションでフロントがφ402、リアがφ360のカーボン・セラミックも用意される。
ボディは包括的なAMGのスタイル・パッケージが採用されており、フロントは専用のグリル、パンパー、ボンネット、フェンダーとなる。ホイールアーチは、フロント265/35、リアが295/30という20インチのタイヤを収めるために、標準的なEクラスよりも17mmほど拡大されている。更に、ブラック・アウトされたミラー・ハウジング、ワイドとなったサイド・シル、トランクにマウントされたリア・ウイングなども特徴だ。
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