ホンダ・ステップワゴンModulo X
公開 : 2016.11.02 05:55 更新 : 2017.05.29 19:09
ただし、ホンダの名誉のためにいっておくと、Modulo Xは、ホンダアクセスがこんなパーツを着けたらいいんじゃないとお気軽に勝手に作り上げたクルマではない。Modulo Xのために北海道の鷹栖のテストコースにエンジニア、デザイナーが実際に出向いて、テスト・ドライバーと共に試作を繰り返して作り上げたクルマなのだ。だから、カッコだけのクルマでもなく、エンジニアが先行したクルマでもなく、トータルでコーディネイトされたコンプリート・カーなのだ。
スタイリングは、通常のステップワゴンから、よりスポーティにしたステップワゴン SPADAのラインを更に進化させたもので、たしかにカッコよくなっている。それは15mmほど下げられた車高の影響もある。
エンジンには手が入れられていない。かつては2.4ℓユニットを搭載していたステップワゴンは、この第5世代でダウンサイジングの1.5ℓ直噴VTECターボとなったが、それでもパワー不足を感じさせず、全体にわたってトルクフルな印象は相変わらず。普段使いなら街中から高速まで必要にして十分なものだった。
今回、Modulo Xに新たにセットされた専用サスペンションは、主に高速での直進安定性と路面への接地感を高めることに注力したという。実際には、確かにその2点においては、通常のステップワゴンから向上していることは感じられたが、個人的にはやや固いかなという気もした。今回、長時間リア・シートに座るという体験はできなかったが、ファミリー・ユースを考えるとリア・シートの住人から不満がでないとも限らない。ただし、それも通常のステップワゴンを知っている人からしか出ない不満なので、良しとすべきか。専用のチューニングを与えるということも重要かもしれないが、ただ単純にカッコを考えて車高をちょっとだけ落として、基本的なサス・セッティングは通常のステップワゴンと同じ、でも良いのではと感じた次第。