ベントレー・フライング・スパーV8 S
公開 : 2016.11.07 05:40 更新 : 2017.05.29 19:02
磨きあげられたギア・ノブを ‘S’ モードにインサートすると、各ギアをできるかぎり長い時間ホールドしようとする。音はもっと勢いを増すのだ。
ただ、不必要な激しさは敢えて遠ざけているというか、フライング・スパーの ‘格式’ にあった落ち着きは損なわないように努力している印象もある。
コーナーに飛びこめばSUVさながらにロールするし、ダンパー・セッティングもやわらかい。ほどほどであることがフライング・スパーをチューンするうえで大切だということをエンジニアも知っているようだ。
インテリアは相変わらず豪奢。クラフツマンシップの象徴だといってもいいだろう。しかしながら、たんに高級感のあるマテリアルを寄せ集めればいいわけではないとベントレーが考えているのもよくわかる。よい素材に、どうやってあたたかみを加えるか? を熟知している。
インフォテインメント・システムは機能的ではあるが、レンジローバーやロールス・ロイス、メルセデス・ベンツSクラスのそれと比べると動作は遅い。ここを改良すれば豪奢なインテリアの足を引っ張らずに済むはずだ。