ホンダ・シビック1.5 VTECターボ・スポーツ
公開 : 2016.11.09 05:50 更新 : 2017.05.29 19:09
フル・モデル・チェンジしたシビックは、従来からの問題を解決し、より幅広い層に評価されるようになった。が、ホンダらしさは失われている。
■どんなクルマ?
過去10年、ホンダ・シビックは気軽に買えるハッチバックとして一定評価を得つづけてきた。
特に2006年にデビューした8世代目のシビックは、新鮮なスタイリングと賢いメカニカル・レイアウト、さらには快適な乗り心地や優れたレイアウトが受け、多くの層に高い評価を得ることとなった。
味をしめたホンダは、もちろん9代目のシビックも、8世代目で得た ‘勝利の方程式’ を反映。フロント・シートの下にガソリン・タンクを設けるなど、向上心もそのままに正常進化を遂げたのであった。
ただ、乗り心地が明らかに硬くなった。それにステアリングが鋭くなりすぎたため、たんなるハッチバックとしてシビックを買っていた層のあいだでは、あまり優れた評判を得ることができなかったのであった。
だからこちらの10代目は、ホンダにとって勝負のモデルなのである。もちろん開発の基準になったのは、フォルクスワーゲン・グループ、PSA、ルノー-日産、トヨタなどの、いわゆるスタンダードカーたちである。
プラットフォームは完全なる新設計で、アメリカのマーケットで売られているセダンやクーペと共通。全長は4.5m、ホイールベースは2.7mと、居住性を意識したものとなり、欧州のCセグメント車としては最長である。