マツダ・ロードスターRF VS

公開 : 2016.11.10 05:55  更新 : 2017.05.29 19:12

■どんな感じ?

そのリア部分を真横から見た姿はランボルギーニ・ミウラのようであり、リアを斜め後ろから見た姿はディーノ246GTを思い起こさせた。特に40歳代、50歳代のスーパーカー・ブームの洗礼を受けた人間には少なくともそう想起させるスタイリングだ。デザイン本部長の中牟田泰氏や、チーフ・デザイナーの中山雅氏にストレートにこれをぶつけてみたら、「うふふ、パクりました。」という答えが返ってきた。もちろん、パクりましたというのは冗談だが、1960年代から70年代のスーパーカーといわれたイタリアン・エキゾティックのデザインをオマージュし、リスペクトしているという意味だろう。この美しさはガンダムチック(これも古い言葉だが)なデザインの多い昨今、貴重な存在だ。

本当にファストバック・クーペの美しさを追求したのだろう。そのこだわりは、実に細かいところまで作り込まれている。例えば開閉するルーフとボディのつなぎ目のラインは、単純にルーフの開閉機構を収納するためにここをこう切りました、ではなく、RFのボディ・ラインを崩さないところにパーティング・ラインを入れ、そのラインを保持するために最後の最後まで開閉機構の小型化などを行ったという。

ルーフ自体の開閉も、ボタンひとつで操作が可能。NCではルーフのロックをマニュアルで外す作業が必要だったが、RFではメイン・コンソール中央下部のスイッチを押すだけで全てが終了する。これも、オープン化する時、あるいはクローズド化するときの操作を優雅に見せたいというためのもの。更に、ルーフはフロント&ミドル・ルーフ部と、リア・ルーフ部に分かれるが、この2つのパーツと、バック・ウインドウの開閉動作がオーバーラップして動くようにしている。その結果、13秒という世界最短のルーフ開閉時間が実現されたのと同時に、非常にシームレスな美しい動きを見せるのだ。中山氏は、クルマがショーウインドウに移ったときなどにルーフを開けてみてその美しさを確認して欲しいと言っていた。

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