日産ノート e-POWER メダリスト
公開 : 2016.11.11 05:50 更新 : 2017.05.29 19:26
■どんな感じ?
日産リーフやBMW i3、そしてテスラといったモデルが日本市場ではEVとして走っているが、一般的なドライバーでそのフィーリングを味わった人は少ないと思われる。従って、このノートe-POWERで初めてEVを経験をするという人がほとんどとなると想像がつく。だから、多くの人にとってはEV初体験となる世界がそこに広がっていることになる。
EVのフィーリングは、ハイブリッド・モデルを含め、内燃機関でアクスルを駆動するクルマとはまったく異なる。スロットルを踏んだ直後から最大トルクを発生するモーターの特性で、その加速力はボディから想像するに相応しくない力を見せてくれる。日産では2.0ℓターボに匹敵する、と謳っているが、このコピーに嘘はない。しかも、スロットル・レスポンスは、実にリニアで右足の動きに敏感に反応する。
ドライブ・モードは3つと謳っているが、正確には4つのモードが用意されている。ノーマル・モード、Sモード、ECOモードの3つで、更にノーマル・モードはDとBの2つがセレクトできる。ノーマルDは、加速がノーマルで、回生エネルギーを使った減速もノーマル。ノーマルBは、加速がノーマルで、減速がやや強くなる。Sモードは、加速がノーマル+αで、減速が強。そしてECOモードは、加速がマイルドで、減速が強といった設定だ。
ノーマルDは、いままでの内燃機関のクルマの感覚と非常に近いモード。EVに初めて乗る人にはこのモードが一番馴染みやすい。しかし、EVの利点はスロットルを離すと自然に減速していくことにある。従って、EV本来のドライブ・フィールはSモードやECOモードのように減速が強くかかるモードにあると言って良い。一般道を普通に走っている分には、停止するためにアクセルを離すだけでほぼ事が足りる。本当に停止する2、3メートル手前でブレーキ・ペダルに足を軽く乗せるだけでいいのだ。
加速力は、ECO→ノーマル→Sの順に強くなるが、少なくとも一般市街地で、周りにクルマが多くいるような状況ではECOモードで十分だと感じられた。高速道路を積極的に走ったり、ワインディングを愉しむにはSモードが有用だが、それほどSモードを使用したいという気にはならなかったのも事実。
このノートe-POWERは、日本国内の限定モデルで、現時点では海外への輸出は考えていないという。それは、リーフもそうだが、最高速度が145km/hであるからだという。特に、高速での移動の多いコンネンタルで受け入れられるかどうが不安だと日産の開発陣は言っていたが、モーター的に同じスペックのリーフを販売しているのだから、何の問題もないはずだが。