マクラーレン540C
公開 : 2016.11.11 05:40 更新 : 2017.05.29 19:10
ブレーキを解除し発進する際には、完璧なまでに精確なクラッチ・ミートに、また進歩を感じるだろう。7速ギアボックスは的確にギヤを選択し、スムーズに自動変速をおこなう。とはいえ、パドル・シフトの操作はとびきり楽しく、500km近い試乗のほとんどを手動変速で過ごしてしまったのだが。
一般的なスタビライザーをもつサスペンションはフラットな乗り心地を実現し、ダンピングも素晴らしい。このクルマが路面の凹凸をいなすさまは、後から眺めていても惚れ惚れするほどだ。
さすがに大きなバンプとなるとその限りではなく、カーボン構造体ならではのガラガラ音も時折耳についたが、それはやむをえまい。
■「買い」か?
われわれはすでに、570Sをその価格帯で最高の選択肢だと評価している。そして、その570Sで指摘しなかった欠点は、540Cにも見つけられなかった。
たしかに、ブレーキは鋳鉄ディスクだが、より高価なカーボン複合材のそれとの差を、公道上で感じることはむずかしいはずだ。
室内の装飾も多少は簡素だが、質感を損なうようなことはなく、むしろシンプルさが好ましい。どちらを選ぶか決める要素は、価格差以外にないだろう。
■日本版編集部の見立て
主に中国市場を意識して登場した540Cだが、マクラーレンのエントリー・モデルとしても、その仕上がりに何ら不満点は見いだせない。確かに文中にあるようにマクラーレンをチョイスする層にとっては、570Cと540Cとの価格差は微々たるものにしか感じられないだろう。しかし、普通のワインディング・ロード飛ばすには、540Cとてありあまる性能を持っていることも事実だ。
マクラーレン540C
価格 | £126,000(1,659万円) |
全長×全幅×全高 | 4530x2095x1202mm |
最高速度 | 320km/h |
0-100km/h加速 | 3.5秒 |
燃費 | 9.3km/ℓ |
CO2排出量 | 249g/km |
乾燥重量 | 1311kg |
エンジン | V型8気筒3799ccターボ・ガソリン |
最高出力 | 540ps/7500rpm |
最大トルク | 55.0kg-m/3500rpm |
ギアボックス | 7速オートマティック |
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