レンジローバー3.0TDV6ヴォーグ
公開 : 2012.11.28 17:14 更新 : 2017.05.29 19:20
■どんなクルマ?
新しいレンジローバーのラインアップの中でも、最もベーシックな71,000ポンド(932万円)のモデルが、この3.0TDV6ヴォーグだ。エンジンは、はじめてレンジローバーに採用された255bhpの3.0リッター・ツインターボV6ディーゼル。標準で8速のZF製オートマティック・ギアボックスと、アイドリング・ストップ機構を備える。
トリムは3つ。ヴォーグ、ヴォーグSE、そしてオートバイオグラフィー。ヴォーグは、メタリック・ペイント、20インチ・ホイール、オックスフォード・レザー・トリム、12ウェイ電動シート、キセノン・ヘッドランプ、ラミネート・フロント・サイド・ウインドーを標準で装備する。また5つのオフロード・プログラムを持つテライン・レスポンス・システムも標準装備だ。しかし、テライン・レスポンス2は、6,500ポンド(85万円)高のヴォーグSEにならないと装着できない。また、タッチ・スクリーンのナビ、DABラジオ、デジタル・テレビ、380Wのメリディアン・オーディオ・システムが標準となるが、825Wのサウンド・システムはこれもヴォーグSE以上の装備となる。
■どんな感じ?
先代のレンジローバーよりも、スムーズで洗練されていてパワフルで機敏だ。この新しいレンジローバーはダブル・スキンのバルクヘッドを持ち、ディーゼルのサウンドがコクピットに入らないようにとの配慮がされている。
TDV6が軽くなったボディ・ウェイトのお陰で、先代のTDV8と同じだけのパフォーマンスを持つとランドローバーは言う。確かに、加速は充分に速く、鋭いZF製のギアボックスの助けもあって、その加速も減速もスムーズだ。
ボディ・ロールはいくらかはある。それは、SDV8やV8スーパーチャージャーのようにアクティブ・コントロールはされない。
ステアリングは、少ない舵角でコントロールすることが可能だが、少しばかりフィーリングとフィードバックが不足しているように感じる。
しかし、遥かに向上したボディ剛性のため、何より愉しく安全でリラックスしたドライブが可能だ。しかもTDV6は、SDV8よりも200kg
軽いのだ。特にその軽くなった部分はフロント・アクスルにあり、それがTDV6の機敏さをもたらしているのかもしれない。
また、エア・サスペンションによる乗り心地は、突き上げを見事に吸収してくれるものだった。
短いながらオフロードでのテストもできたが、オフロードでも冷静なドライブが可能だった。ヨークシャーの水浸しで泥だらけのテストコースでも、欠点をさらすことなく、エア・サスペンションは常にキャビンを水平に保つように働いてくれた。ステアリングだけがもうすこしオフロードの感触を伝えてくれたらと思えただけだ。
■「買い」か?
TDV6は、新しいレンジローバーのハイテクなアロイ・ボディ構造を最も安く手に入れられるモデルだ。SDV8であれば、その価格は7,000ポンド(92万円)も高くなってしまうのだ。
ヴォーグの装備は確かに充分だが、ヴォーグSEに奢られている装備は更に魅力的だから悩むところだ。正直なところ、われわれのチョイスは、SDV8ヴォーグと同じ価格の、TDV6ヴォーグSEとなるだろう。
(ジュリアン・レンデール)
レンジローバー3.0TDV6ヴォーグ
価格 | 71,295ポンド(934万円) |
最高速度 | 209km/h |
0-100km/h加速 | 7.4秒 |
燃費 | 13.3km/l |
CO2排出量 | 196g/km |
乾燥重量 | 2160kg |
エンジン | V型6気筒2993ccツインターボ・ディーゼル |
最高出力 | 255bhp/4000rpm |
最大トルク | 61.1kg-m/1500rpm-3000rpm |
ギアボックス | 8速オートマティック |