アウディA4オールロード2.0 TDI
公開 : 2016.11.15 05:40 更新 : 2017.05.29 18:13
ところが、ゴツゴツした障害物が転がる悪路に差し掛かると、状況は一変する。破壊的とまではいかないが、その揺すられっぷりは、われわれの想像の範疇をはるかに上回った。
テスト車は18インチの45タイヤを履くスポーツ・トリムではなく、エアボリュームとサイドウォールの厚みで勝る17インチの55タイヤ仕様を装着する標準版だったため、乗り心地はラフな路面でもそこまでひどいことにならないだろうと期待していたのだが、それも完全に裏切られたわけだ。
オプションのアダプティブ・ダンパーも装備されていたが、今回の経験から言わせてもらえば、それに£900(12万円)を払う価値はない、と結論づけることになる。
操縦性がアバントほどシャープでないのは予想通りで、ステアリングの精確さもオールロードはやや劣る。前後トルク配分は、通常時は前輪駆動で走行するなど、かなりフロント主導。
だが低速コーナーで、それも滑りやすいコンディションにおいては、後輪へ伝達される駆動トルクをしっかりと感じ取れるだろう。
エンジンは、たいていの場面で十分に活発な印象だ。パーシャル・スロットル時でもドライバーを駆り立てる雰囲気はあるし、そこから右足に力を込めれば遅れることなく加速して、安全な追い越しを可能にする。それでいて、洗練度も高い。