プジョー3008 1.2ピュアテック
公開 : 2016.11.17 05:40 更新 : 2017.05.29 19:00
ロールは小さく、コーナーでのターンインは実に素早い身のこなしをみせる。その先へ進んでも、扱いにくい挙動は出ない。
グリップはフロントが先に限界を迎えるため、予期せぬオーバーステアで危険に晒されることもない。トラクション・コントロールはカットできるが、およそ50km/hで自動的に作動状態へ復帰する。
走りはキビキビしているが、上下に漂うような減衰の足回りは、旧き佳きフランス車を思わせる。実に楽しいが、荒れた路面や鋭い突起などではボディが揺すられがちだ。その点では、ライバルとなるセアト・アテカのダンピングと機敏さに軍配が上がる。
走りにも増して魅力的なのが、3008のインテリアだ。斬新なデザインはもちろんだが、ざらついた素材をソフトタッチのプラスティックで覆い隠し、質感も高い。全車とも、12.3インチのデジタル・ディスプレイを計器盤に用いたプジョーiコックピットの最新バージョンを採用。グラフィックは非常にシャープで、グラフィックが目を引き、情報が読み取りやすい。
アウディのバーチャルコックピットほどのデータ量はないが、これが標準装備なら満足だ。
ダッシュボード中央の8インチ・ディスプレイも標準装備。最廉価グレードのアクティブではナビゲーション・システムがオプションとなるが、ミラーリンクとカープレイを内蔵するので、連携スマホのアプリでカバーすることもできるだろう。
リアのパーキング・センサーや自動緊急ブレーキ、左右独立エアコンなども全車に備わる。
後席は、これより広いライバル車も少なからずあるが、大人ふたり乗りなら文句が出るほど狭いわけでもない。荷室容量は大きく、後席シートバックのフォールドも簡単だ。‘アクティブ’ グレードを除けば、長尺物積載時に役立つ、助手席を前に折りたたむことのできる機構も装備されている。
■「買い」か?
3008との時間を過ごせば過ごすほど、われわれのこのクルマへの好感度は上がるばかりだった。
ピュアテックエンジンはほとんどのシーンで十分なパンチがある一方、14km/ℓ強というクラストップレベルの低燃費を、特別な努力なしにマークする。
標準装備の内容は充実し、インテリアは実用的かつスタイリッシュで、走りもまずまず。2駆モデルに限定すればライバルを押し退ける実力は十分。
このセグメント全体でも、有力な存在になるのではないかと期待を抱かせる新型車の誕生だ。
■日本版編集部の見立て
とりたててここが凄い、というわけではないが、SUV風に仕上がった新しい3008は全体の仕上がり感が良いようだ。2WDしかないことに言及しているが、ほとんどのオーナーがオフロードを走ることもないので、FFで充分。日本市場でもぜひ展開して欲しい車種だ。
プジョー3008 1.2ピュアテック
価格 | 約£24,000(328万円) |
全長×全幅×全高 | NA |
最高速度 | 188km/h |
0-100km/h加速 | 10.8秒 |
燃費 | 18.5km/ℓ |
CO2排出量 | 124g/km |
乾燥重量 | 1250kg |
エンジン | 直列3気筒1199ccガソリン・ターボ |
最高出力 | 131ps/5500rpm |
最大トルク | 23.5kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |
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