クリオRS16は生産化を見合わせ
公開 : 2016.11.17 04:20 更新 : 2017.06.01 00:33
ルノー・スポールの40年の歴史において最速のモデルと期待されたルノー・スポール・クリオRS16が、生産化を見合わせることになった。この決定は、ブランドの戦略的な判断だという。
クリオRSシリーズは、クリオV6やスピダーといったハンドビルドの少量生産モデルに特化するアルピーヌのディエップ工場で生産されている。この工場が今後アルピーヌのスポーツカー製造に注力するというのが、今回の決定のキーとなったのだ。
「RS16の生産開始をアルピーヌのキックオフ以降に延期するという選択もありましたが、それではどんなに早くても2018年になってしまいます。これではユーザが痺れを切らしてしまいますよ」と同社のスポークスマンは明かしてくれた。
クリオRS16は、メガーヌRS275トロフィー-Rに搭載されている275psの2.0ℓターボ・ユニットと、マニュアル・ギアボックスを移植することが予定されていた。つまり、かつてニュルブルクリンクにおけるFFモデル最速を記録したパワートレインを、より軽量なボディに搭載するとあって、新記録に挑戦することが期待されたのである。
RS16の生産見合わせは、手に届くハイパフォーマンス・モデルを提供するブランド、ルノー・スポールにとっては痛手である。なぜなら、現行のクリオRS200は、1.6ℓターボとデュアルクラッチという組み合わせになり、2.0ℓNAの6速マニュアル・モデルであった先代に比べて英国ではタマ数が伸びていないのだ。
ルノー・スポール・カーズのパトリス・ラッティは、RS16を量産モデルにするというアイデアは「いくぶん無理があった」と話している。KZ01のコードネームで開発が進められたこのモデルは、生産化に関するディスカッションが一度設けられたものの、その後ゴーサインは出ることがなく、プロトタイプ2台のみの生産に留まっている。