カヴァルケード・インターナショナル 2016 京都
2016.11.10-14
フェラーリ社は特別なオーナーのためのドライビング・イベントとして「フェラーリ・カヴァルケード」を2012年からイタリアで開いている。舞台となった地域の文化と芸術、そして情熱とグルメを楽しみ、サーキットでのタイム・トライアルと、フェラーリ・オーナーに相応しいハイレベルな内容が特徴だ。初回となった2012年は、フェラーリの地元であるエミリア・ロマーニャ州を舞台に開催され大成功を収めた。以来、トスカーナ、シチリア島、ローマで行われ、今年のイタリア版はベネツィアとその周辺を舞台に盛大に行われた。なおイベント名のカヴァルケイド(cavalcade)は、騎馬行進を意味するもの。
この本国版フェラーリ・カヴァルケードのほか、インターナショナル・カヴァルケードと称して2015年8月にアメリカのカリフォルニア初めて開催された。今年はフェラーリが日本に正式上陸から 50 周年を迎えるとともに、日本とイタリアの国交150 周年となる節目となる年であることから、京都市および京都文化交流コンベンションビューローの協力を得て「千年の都」京都市を拠点にして、日本の歴史と景観を誇る地を満喫すべく11月10〜14日に行われた。
今回は日本を含む世界27カ国から71台の参加を数えた。主な参加国を記すと日本、イタリア、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、スペイン、ベルギー、スウェーデン、オーストラリア、ニュージーランドを始め、イスラエル、UAE、ベラシール、レバノン、ウクライナ、タイ、インドネシア、ヨルダン、台湾、香港、中国と多彩な国から集まった。
この中でスペインのフェラリスティは熱心で、ラ フェラーリとエンツォ・フェラーリをこの日のために持ち込んだ。ちなみにラ フェラーリは6台が姿を見せ、注目のF12 tdfはデリバリー途中ということから2台に留まった。注目したいのは近代フェラーリ・ワンオフモデルの先駆けとして日本の平松氏がオーダーして製作されたSP1も参加し、海外からの参加者の注目を集めていた。
ツアーは平安神宮前の神宮道を起点とし、1日目は平安神宮で厳かな安全祈願が行われ、参加した外国からのエントラントも厳かに受けていた。門川大作京都市長が振り下ろすフラッグを合図にスタートを切り、平安神宮から京都の中心部を駆け抜け、名神高速を経て世界最長の吊り橋である明石海峡大橋から淡路島に向った。その帰路はセントラル・サーキットに立ち寄り、フェラーリのパフォーマンスを存分に堪能した。ホットな時間を過ごしたあとは、丹波篠山のゆったりとした風景を楽しみながら平安神宮に戻るプログラムが組まれた。
2日目は進路を東に取り、日本最大の湖である琵琶湖に沿って、ユネスコ世界文化遺産にも登録されている比叡山延暦寺を訪れ、湖上に建つ鳥居が特徴の白鬚神社に向かった。その後は日本と思えぬ光景を誇る高島市マキノにあるメタセコイア並木を抜け、国宝に指定されている彦根城などを巡り、京都とは違った琵琶湖を巡る様々な土地の風景とグルメを楽しんだ。
ツアーの3日目は京都から一路南へ向かい、もうひとつの古都である奈良を訪れ、東大寺、平城京跡、若草山などを巡った。その後大阪市内へ移動し、御堂筋を駆け抜け大阪城などの都市を中心としたルートを周ったのち東福寺を経て平安神宮前に戻り、カヴァルケード最終日の変化に富んだドライビングを愉しんだ。
この日の晩はオフィシャル・ガラパーティーが開かれ、プログラムの最後を華やかに締め括った。こうして日本初のフェラーリ・カヴァルケードは、大成功のうちに幕を閉じた。