ジャガーXKSSの新車をロサンゼルスで公開
公開 : 2016.11.17 06:51 更新 : 2017.06.01 00:33
1954年から1957年にかけて僅か16台が生産され、そのご1957年にブラウンズレイン工場の火災により在庫車や治具の全てが消失してしまった貴重なジャガーXKSSの、ジャガーの手によるリプロダクション・モデルが、ロサンゼルスのピーターセン・ミュージアムで公開された。
これはジャガー・クラシック・ディビジョンの手による作品で、9台のみが製作されるという。デリバリーは2017年から開始され、価格は、£100万(1億3600万円)からを予定している。
9台のXKSSは、オリジナルのXKSSからの通し番号となるシャシー・ナンバーがふられることになる。
この新しいXKSSは、現代の燃料に合わせて燃料タンクなどの材質が変更されているが、基本的には1957年の仕様に忠実に再現している。その再現方法を研究するだけで18ヶ月の日時を要したという。
オリジナル・ドローイングをベースにデジタル・データを作成した他、1950年代のオリジナル・モデルから金型を作製したという。そして、新しい9台は、このオリジナルの金型を利用して作製される。
フレームはCADの手助けを借りてジャガー・クラシックのエンジニアが複製した。これには、フレームメーカーである531鋼管で有名なレイノルズの手助けがあった。このフレームは、オリジナルと同様に制動溶接が行われる。
新しいXKSSは、ダンロップ製ディスク・ブレーキと、2ピースのマグネシウム・ホイル、そしてダンロップ・タイヤという組み合わせのスペックだ。
ボンネットの下には、265psの3.4ℓストレート6のD-タイプ・ユニットが搭載される。エンジンももちろん新設で、キャスト・シリンダー・ヘッドとウェーバーDC03のトリプル・キャブを持つ。
コクピットはスミス製のケージが並ぶオリジナルのスタイルを忠実に反映しているほか、ステアリング‥ホイールのウッド、ダッシュボード、真鍮のノブ、本革シートなども1957年のスタイルが完全にコピーされている。
ジャガー・クラシックは、新しいXKSSを作製するのに1台につき10,000時間を要することになる。
「XKSSはジャガーの歴史の中でも最も重要な1台だ。2000本以上あるリベットのすべての数、タイプ、そして位置までもがオリジナルそのままだ。」とジャガー・クラシックはコメントしている。
XKSSは、ジャガー・クラシックによって作成される2台目のリプロダクション・モデルとなる。最初は2014年に作製された6台のライトウエイトE-タイプだ。