トヨタC-HR
公開 : 2016.11.18 05:55 更新 : 2021.01.28 17:56
■どんな感じ?
トヨタは11月上旬後半、伊豆のサイクルスポーツセンターで、C-HRのプレス試乗会を開いた。もともとスポーツ自転車用として構築された5kmコースは、比較的タイトなコーナーとアップダウンが続く。そこにハイブリッドとガソリンの両モデルが用意され、比較のためにプラットフォームの基本を共用する、現行プリウスも用意されていた。
そこでまずはプリウスで足慣らしした後、C-HRガソリン・エンジンの「S-T」に試乗する。プリウスとは異なる独自のデザインを与えられたインテリアは上級志向の雰囲気を漂わせながら、ヒップポイントがプリウスより55cm高いという着座位置によって、SUV感を見事に案出している。
ところが走り出してみると、C-HRは意外な感触のクルマだった。まずステア・フィールが良好で、操作に対する反応も生き生きしていて、ボディが気持ちよく、しかも自然な感じで向きを変える。着座位置が高いにもかかわらず、しかも4WDであるにもかかわらず、身のこなしはC-HRの前に乗ったプリウスよりスポーティな印象なのだ。
そこで気分をよくして、コーナーの続くコースでペースを少し上げるが、タイトコーナーでもアンダーステアは軽く、意図したラインを無理なく辿ることができる。もしや今流行のトルク・ベクタリングでも入っているのかと思ったが、それは未採用とのこと。つまり電子制御の力を借りず、シャシーの能力だけでニュートラルなハンドリングを実現しているわけだ。
C-HRに標準で装着されているSACHS=ザックスのダンパーもいい仕事をしているのだろう、乗り心地も適度にしなやかかつフラットな印象を与える、好ましいものだった。