スバルWRX S4 tS NBRチャレンジパッケージ

公開 : 2016.11.26 05:40  更新 : 2017.05.29 18:41

  • S4 tSが履くダンロップの内側の特殊吸音スポンジ。見た目の印象よりも柔らかい素材だった。

ボディやシャシーは、ビルシュタインのダンプマチックIIダンパーに強化スプリング、ダンロップの専用タイヤ、そしてタワーバーやドロースティフナーというSTI独自の “フレキシブル” 系の強化がなされる。

これらは基本的に昨年に秒殺で完売したS207とほぼ共通の内容だが、微妙なチューニングはわずかに快適性に振られており、専用タイヤのスポーツマックスRTも吸音スポンジを内蔵した新タイプ。このダンロップ謹製タイヤはコンパウンドやケース設計は従来どおりなので、走行性能は変わらず静粛性だけが向上しているんだとか。

このクルマも “tS” の文法に沿ってエンジン本体には手がつけられていない。ただ、吸排気系を見直すことで、加速過渡域のトルクが最大で10%アップしているという。

■どんな感じ?

最大のキモであるシャシー性能は素晴らしい。全身がいかにもレーシーかつ猛烈な剛性感にあふれて、無駄な動きがまるでないのだが、身体に伝わる衝撃はあくまで丸く、荒れた路面でもまるで跳ねず、ビターッと直進する。

「S207より快適性重視」との事前説明に「ひよったか!?」と毒づきたくなったのは事実だが、これ単独で乗っているかぎりは軟弱な感じはみじんもない。強力なブレンボを蹴とばした際にも、路面に食らいつく姿勢を崩さずに荷重移動する身のこなしは、いかにもその道のプロがすべてを絶妙なバランスでトータルチューンしたことが如実にうかがえる。

うたい文句どおりの静粛性の効能も明らかだ。日本特有の目地段差を乗り越えたときの「ポコン!」というノイズは、この種のスポーツモデルとしては異例に小さい。

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