独自のフルハイブリッドを初搭載、スズキ・ソリオの新モデル発売
2016.11.29
スズキは、スズキ独自のフルハイブリッド・システムを初搭載したソリオ/ソリオ・バンディットのフルハイブリッド仕様車を発売した。なお、従来からラインナップされているマイルドハイブリッド車およびガソリン・エンジン・モデルは発売を継続する。
これまでのマイルドハイブリッド車が、ソリオ・ハイブリッドMZおよびMXという車名であったのに対し、新型フルハイブリッドは、ハイブリッドSZおよびSXというネーミングを与えられた。
“5ナンバー規格の上限よりはるかにコンパクトながら上背はミニバン並み” というパッケージングはそのままに、EV走行も可能なシステムを搭載したのがこのモデルだ。燃費は32.0km/ℓとなり、マイルドハイブリッド仕様(27.8km/ℓ)に比べて15%増、1ℓ当たり4.2km長く走る計算になる。
システムは、MGU(駆動用モーター)とAGS(オートギヤシフト)というスズキが得意とする技術を組み合わせたパラレル方式のハイブリッドである。
AGSはCVTに比べて軽量・コンパクトなのが特徴で、オートギヤシフトの名の通り、MTゆずりのダイレクトな走りとAT同様の運転ができる。
MGUは13.6ps/3185-8000rom、3.1kg-m/1000-3185rpmという性能を持ち、低回転域から瞬時にパワーを発揮することで、力強い発進・加速を可能とする。状況に応じてMGUがエンジンをアシストするだけでなく、MGUのみのEV走行も実現した。ただし、EV走行による航続距離は「40km/h一定で約3分、およそ2km」に限られる。
エンジンは91ps、12.0kg-mを発揮するK12C型で、マイルドハイブリッドおよびガソリン・エンジン仕様と共通。車重は990kgで、マイルドハイブリッドの2WD・CVT仕様と比較してプラス40kgということになる。
ポイントは、2つの配置にあり
このシステムが面白いのは、MGUをAGSの出力側に配置したことだ。つまり、AGSを介さず駆動力を駆動軸に伝えることができ、変速時のトルクギャップをMGUの駆動力でカバーできるのだ。また、エンジンを止めてクラッチを切り離した状態で減速エネルギー回生できるため、充電の効率が高い。
マイルドハイブリッドではISGが減速エネルギー回生を受け持っていたが、フルハイブリッドでISGが行うのはバッテリーへの充電とエンジン再始動のみになる。
マイルドハイブリッド仕様との外観の違いは「HYBRID」バッジの色が変わること。また、フロントグリルのスケルトン部分がブルーメッキに、リア・コンビランプおよびバックランプがブルークリア・レンズになる。
ラゲッジルームにリチウムイオン・バッテリー + インバーターを搭載するためサブトランクがフルハイブリッドでは廃止されるのも特徴だ。同じ理由で4WDモデルもラインナップされない。
価格は1,917,000円から2,062,800円。
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