アウディA5 3.0TDI 218 Sライン・クワトロ

公開 : 2016.12.02 05:30  更新 : 2017.05.29 18:13

■どんな感じ?

この3.0ℓV6ディーゼルは、A4では燃費/エミッション性能に配慮しFFのみの設定となるが、A5では車名にクワトロとあるように4WDが搭載される。

経済性と引き替えにドライバーが得られるのは、より満足感の高い走り。とりわけトラクションは、FFのA4では苦戦するような、発進時から滑りやすいコンディションまで威力を発揮する。

この駆動システムは、V6 TDIユニットの評価も高める。強力なトラクションが1250rpmから発揮される太いトルクと相まって、軽量になったA5を力強く走らせるさまは、価格が倍ほどのクルマを思わせる洗練されたものだ。

これを補佐するのが、SトロニックDCTである。低速でスロットルを大きく開くと、A5の電子頭脳は猛烈かつベストなトルク・デリバリーを短時間のうちにやってのけ、最適なギアと変速パターンを選択するのである。

残念なのは、このドライブトレインに見合うハンドリングを楽しめないことだ。

テスト車は、オプションのダイナミック・ステアリングが未装着だったが、この可変レシオ機構が介在しないことで、リニアなフィーリングを味わえた。精確でもある。しかし、さすがにBMW 4シリーズほど鋭く、インフォメーション豊かとは言いがたい。ステアリング操作に対するクルマの反応は、安全と安心感を重視したものとなっている。

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