ダイハツ・トール/トヨタ・ルーミー&タンク

公開 : 2016.12.05 05:55  更新 : 2017.05.29 18:47

■どんな感じ?

「軽の技術で、コンパクトを変えていく。」はブーン登場時の謳い文句だが、正直ブーン&パッソでは実感として捉えられなかったが、トール三姉妹は軽乗用で培ってきた技術の深みを感ぜずにはいられなかった。

全高1.7m強のボックス型ボディで重そうに見えてもNA車の車重は1080kg。まずまず軽量だが、同型エンジンを搭載するブーンよりも170kg重く。増加した重量に合わせて変速比を20%下げている。結果、100km/hでのエンジン回転数は約3000rpm。一昔前なら気にならない回転数だが、省燃費傾向の強まりで2000〜2500rpmの巡航回転数が一般化した昨今では巡航回転数からも余力不足を意識させられる。

ただ、非力に苛つかされるかというと、そうでもないのだ。アクセル・ペダルを緩やかに踏み込んでいくとじわりと回転を上げる。踏み込み量が少なくとも踏み込み速度が速いとエンジン回転の上昇は大きくなる。つまり、ペダル操作に現れたドライバーの意志を上手に汲み取り、状況に応じた加速が得られるのだ。加えて、全開加速でも回転数上昇は5000rpm辺りまで。レブ・リミットは6500rpmだが、5000rpmに留めて苛つかせるあるいは威圧感等のストレスを感じる領域に入れずに賄っている。余裕はなくても悪い気はしない。

とは言え、高速走行主体となれば快適性と扱いやすさ、状況によっては燃費面からももっと余力のあるエンジンが欲しい。ならば、やはりターボ車である。アクセルの踏み込み量と踏み込み速度に応じた変速や全開加速でも5000rpm辺りまで、といった基本的な変速制御はNA車と共通しているが、約52%アップした最大トルクの効果は大きく、加速に移行した時のペダル踏み増し量は減少。ダウンシフトの度合いも減り、エンジン回転数の変化少なくトルクでぐいぐい加速。ドライブ・フィールから受けるNA車との力感の差はスペック以上だ。これくらいの余力があれば高速を使った遠出も躊躇はない。

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