ダイハツ・トール/トヨタ・ルーミー&タンク

公開 : 2016.12.05 05:55  更新 : 2017.05.29 18:47

  • NAのダイハツ・トールG SAII

タウン・ユース視点のNA車、高速長距離もカバーするターボ車の性能設定は動力性能に限ったことではない。フットワークもまた同様だ。両車ともにターンインやコーナリング中の減速による巻き込みを抑えた操縦特性。ロールの入りは緩いが、深くなるほど粘りとしなやかさを発揮するのも共通していた。ただ、NA車はゆるさが基本の設定。ある種のルーズさと言い換えてもいい。適度な摺動感と収まりのいい操舵感もあって高速走行でも不安を抱かせるような運転感覚ではないが、どこにベスト・マッチかと言えばやはり街中である。

神経質な反応や不安感を抱かせる挙動を排除するのはターボ車も同じだが、それを高速コーナリングまで拡大。強い腰でしなやかに上屋の動きを落ち着かせているのが印象的である。高速レーン・チェンジ後の収まりや直進の据わりは外観の印象から想像する以上だ。反面、定員乗車の高速操安性まで配慮したサス・チューンは低中速の空荷状態ではリアサスが張りすぎの印象も受ける。

大きな後輪荷重変動への対応はトール三姉妹の見識のひとつだ。たった3.7mの全長で大柄な男性の4名乗車でも悠々のスペースを確保。後席収納は6:4分割左右独立のダイブイン式。240mmの機構も備わり、後席使用時でも十分なニー・スペースを確保した上で、タウン・ユースや日帰りドライブに対応できる荷室容量が確保される。

インパネ周りの細かな収納は日常用途での利便性を重視したもの。リア・スライド・ドアから乗り込んでウォークスルーで運転席に移動も可能。謳い文句どおりに小幼児のいる家族のための便利な客室だが、2名乗車なら大物積みのレジャー用途にも対応。つまり、キャビンも走行性能もタウン&レジャー兼用でまとめられているのだ。

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