マツダ・デミオXDツーリングLパッケージ

公開 : 2016.12.05 05:54  更新 : 2017.05.29 19:12

GVCの導入と、安全装備の拡充がメインで、デザイン面などの変更は一切されていないデミオのフェイスリフト。マイナーチェンジのためのマイナーチェンジではなく、実質的な意味での本当の改良が施されているのが特徴だ。

■どんなクルマ?

デミオのMC内容は「惜しみなく」という表現そのものである。第一のポイントは安全&運転支援機能の進化と拡張である。デミオが分類されるBセグメントは国産車では登録車の最小クラス。そこに最新のiアクティブセンスを導入。従来の衝突回避システムは30km/h以下を対象としたSCBSだったが、新型では15〜160km/hを作動域とした本格PCSのSBSを設定。SCBSも後退時低速での衝突被害軽減機能が付加されている。また、従来車では非採用のMRCC(ACC)も用意。前方状況に応じて照射範囲を自動的に最適化するALH(アダプティブLEDヘッドライト)はアテンザ等にも採用されているが、デミオは照射範囲を11分割で制御する新型を用い、夜間視認性を向上させている。

自動操舵や積極的な操舵補助がトレンドになりつつある車線維持支援機能が逸脱時警報に留まっているのは少々残念だが、国産車の安全&運転支援水準からすれば2ℓ級以上の車種と比較しても同等以上。国産の同クラスでは群を抜いた安全&運転支援機能である。

走行ハード面のハイライトのひとつはGVC(Gベクタリングコントロール)の導入だ。詳しくは後項で解説をするが、マツダが求める走りの理想から生まれた最新技術のひとつである。また、ダンパーやブッシュ、パワステのアシスト特性も見直され、ハンドリングを中心にフットワーク全般のブラッシュ・アップが図られた。

もうひとつはデミオの存在価値を大幅に高めているディーゼル・エンジンの改良だ。先のMCでナチュラル・サウンド・スムーザーの導入やドライバビリティの改善等の改良が加えられているが、このMCでは噴射制御により燃焼音や構造部の共振を低減するナチュラル・サウンド周波数コントロールを導入。併せて車体本体にも静粛性向上の改良が加えられている。

全長4030mmのコンパクトな2BOX車だが、そこに盛り込まれた技術と機能はクラスを凌駕しているのだ。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事