■どんな感じ?

後席のヘッドルームもニー・クリアランスも同クラスでは最小レベル。荷室容量も余裕がなく、後席収納時の荷室床面段差は大きい。居住性や積載性、あるいは小物収納等のユーティリティはデミオの泣き所。パッケージングによる部分が大半なので、MCしても相変わらず。同クラスではユーティリティ面の優等生のフィットやコンパクトに効率良く実用性をパッケージしたポロと比べると別カテゴリーのクルマのようにも思える。小さくて便利なクルマを求める向きには決して勧められない。

しかし、コンパクトサイズに上級クラスの余裕や高速長距離適性を求めるドライバーにデミオのディーゼル車ほど適したモデルはない。

その第一のポイントが25.5kg-mの最大トルクを1500〜2500rpmで発生する1.5ℓターボ・ディーゼルである。前回のMCから小アクセル開度での踏み込み直後のトルク・ピックアップを向上し、巡航ギア維持のままぐいぐい加速するような力感を得た。ダウンシフト頻度が減少しただけでなく、穏やかな運転では2000rpm以下、ちょっと元気に加速させても2500rpm程度に変速制御される。大トルクと優れたレスポンスのよさを運転実感として捉えられる。

改良の要点となる静粛性はカンキンという耳障りな音の減少が印象的。常用域のアクセル開度で音質がまろやかになった。相対的にロード・ノイズが気になるわけだが、その点でも同クラスでは良好なレベルにある。