■どんな感じ?

新しい車体色が追加されたもののボディの基本造形は変わっていない。ただし、LEDヘッドランプが全車標準となり、ベーシックグレードのXD以外は新開発の11分割照射型のALHを採用する。また、全車が18インチ・ホイールを標準装着。ベーシック仕様でも従来の上級グレード相応の外観となったわけだ。XDにはSBS(PCS)やMRCC(ACC)が設定されないが、車線逸脱警報やBSMのOP装着が可能。装備面でもデミオより上級志向のグレード設定となる。

クロスオーバーSUVは新趣向のスペシャリティ・カーの側面もあり、コンパクト2BOXのデミオに対してCX-3はプレミアム性を売りにしたと考えていい。

MCでは角のある突き上げ感の減少や静粛性の向上により快適性を磨いているが、フットワークはウェルバランス型というより多少スポーティ寄りの設定。つまり走らせてもデミオとの違い、CX-3ならではのスペシャリティな味わいが楽しめるわけだ。

ロール規制の効いたサス・チューンや18インチ・ホイールとロー・プロファイルタイヤの採用は操舵初期応答や追い舵追従、加減速に挙動のメリハリを向上させる。ただし、基本的な操縦特性は安定性最優先。コーナリング中の減速や振り込むような操舵を行っても巻き込むような挙動は少ない。加えてGVCの採用やパワステ特性の変更により巡航や緩加速時の滑らかかつ穏やかな操舵追従や高速直進時の据わりがよくなり、安心感と「意のまま」感の両立点はさらに高まった。洗練された操縦感覚と小気味よさの妙味と言ってもいいだろう。