スズキ・ソリオ・バンディット・ハイブリッドSV
公開 : 2016.12.06 05:55 更新 : 2017.05.29 18:41
また、EV発進にはECOモードが必須条件となるが、同モードのスロットルは半分以下の踏み込み量で反応が非常に鈍く、それ以上だと二次曲線的にパワーが出る設定なのだ。はっきりいうと、周囲の交通の流れに乗る走りはやりにくい。周囲に気づかうと、結果的にスロットルは踏み込みがちになり、そうなると現実としてEV発進はほとんどしない。
ノーマルモードにすれば前記の活発な走りを披露するが、EV発進はキャンセルとなり、減速時のエンジン停止もロードノイズにかき消されて意外と気づきにくい。実際の走行感覚は、マイルドハイブリッドに似て、優秀なアイドリングストップ付きエンジン車に近い。
もちろん、今さらハイブリッドを前面に押す必然性はないし、それでいてマイルドハイブリッド比で15%強の燃費向上を果たしているわけで、フルハイブリッドには相応の存在価値はある。
操縦性はこれまでのソリオと同様に、まずまず理性的にまとまっている。国内専用車らしく低速で柔らかいが、ムチを入れても腰くだけ……とまではいかない調律は悪くない。フルハイブリッド化のために追加されたシステムも合計40kg程度で、総じて低い位置に搭載されているから、全体には重厚感が増した印象が強い。日本の道を普通に走っていれば、運動性能にかかわるデメリットはほとんど感じないだろう。