メルセデス-AMG E63 S
公開 : 2016.12.07 05:50 更新 : 2017.05.23 16:33
サーキットでは、ホットロッド然としているのだろうと思って走りだしたのが、フロントをきちんと支配下に置いている感覚があり、アンダーに悩まされない。もちろんC63のほうが敏しょうだが、単にパワーで丸めこもうとしてないのがE63のよいところだ。
だからE63=サーキットカーと定義づけるのも悪くない。ターボであるにもかかわらずスロットル・レスポンスに優れている点や、ブレーキの忍耐力も、そう判断する理由だ。なにより車重のハンデを軽く克服している。
大きなエンジンを搭載しているクルマは、往々にしてコーナーで外へ外へと膨らみたくなるものだが、E63はくるりと向きを変えられる。スロットル・コントロールだけで、いかようになるのもいいではないか。
バランス能力も驚くほど高く、4WDシステムのパワー配分も実にうまい。感覚はFRに乗っているものに近く、筆者自身もとことん楽しませてもらった。
‘ドリフト・モード’ では、フロントへのトルク配分をゼロにするのではなく、物理的に前後の接続を断ち切ることで ‘FR’ とする。おかげで、徹底的にドリフトできる。 ‘ドリフト・モード’ ではなく、これはもう ‘おふざけモード’ である。
不覚にも病みつきになってしまった。