ルノー・トゥインゴGT
公開 : 2016.12.07 05:40 更新 : 2017.05.29 19:22
フォーマットからすれば高性能なはずのプラットフォームは、問題点が修正された。
新たなダンパーとハードなスタビライザーを採用するなど、サスペンションはよりシャープに。可変レシオのステアリングや、限界以上の領域で活発な運動性能をもたらすよう制御ロジックを書き換えた電子制御スタビリティ・プログラム(ESP)も装備した。
しかし、エンジン・ルームには新たなユニットを搭載する余地がない。
そこで、現行ラインナップ中で最強の897cc直3ターボをベースに吸気インテークの改修やターボの換装、マッピング変更や排気系の新設計などを実施。最高出力は109ps、最大トルクは17.3kg-m。それぞれ19ps、3.5kg-mずつアップしている。
■どんな感じ?
キーを捻ると、火を入れられた897ccユニットは、3気筒特有のオフビートを打ち始める。そのサウンドは、ベース・ユニットより目に見えて音量が増しているが、これは2本出しスポーツ・エキゾーストの仕業だ。とはいえ音色は、同じく3気筒を積むフォード・フィエスタSTラインに比べれば魅力に欠ける。
ところが、スロットル・ペダルを踏む足に力を込めると、低回転から車体を喜々として走らせようとするエンジンに感心させられる。パリ中心部のタイトでテクニカルな道でも、クロス・レシオのトランスミッションと改良されたターボの恩恵で実に活発な走りを見せるのだ。ペース・アップをせがむような加速は、下位ユニット搭載モデルでは味わえない。