BMW i3 vs 日産リーフ vsヒュンダイ・アイオニック vs VW e-ゴルフ
公開 : 2016.12.11 05:50 更新 : 2021.03.05 21:38
それだけではない。レスポンスのよいドライブトレイン、軽快なハンドリング、良好な乗り心地、リニアで予想しやすい操縦性と、真に優れた街乗りグルマに必要と思われる要件を備えている。4台とも電力パワートレインはその条件を満たすが、i3以外では、ほかの要素に大なり小なり不満が残るのを否定できない。
リーフとアイオニックには敏捷さのかけらもない。リーフは柔らかいスプリングゆえの大きなロールが、アイオニックは重たいステアリングと長いホイールベースが、それぞれ原因だ。
乗り心地ならe-ゴルフがベストで、しなやかな上に静粛性も高い。これに続くのがリーフ、ついでアイオニック。ハードなサスペンションを備えるi3は、いささか柔軟性に欠く印象だ。ただし、ほかに倍するほども高い敏捷性は、さすがBMWと唸らされる。
コントロールがもっとも矛盾なく、直観的で、そして楽しいのはe-ゴルフ。その逆なのがアイオニックで、ブレーキ・ペダルとステアリングのチューニングはいずれも好ましくない。
しかし、この手のEVにとっての操縦性は、機能性が優れているという前提があって初めて論じられるべき問題だ。
e-ゴルフとアイオニックは、セッティングを変更可能なエネルギー回生機能が評価に値する。道路が空いていれば、電力をセーブする惰走モードを使用できるが、電動パワートレインは内部抵抗が小さいため、エンジン車のコースター制御以上に効果を発揮する。
それに加えて、回生ブレーキの利きを段階的に調整して、エネルギー回収とエンジン・ブレーキに代わるスピード・コントロールとのバランスを変更可能だ。リーフとi3では、その辺りを効果的に使うことができない。