Text & photo: Hidenori Takakuwa (高桑秀典)
交通安全祈願発祥の地として知られる谷保天満宮を会場として、今年も『谷保天満宮旧車祭』が開催された。どうして当地が交通安全祈願発祥の地なのかというと、明治41年8月1日に自動車の宮様と称された有栖川宮威仁親王殿下先導による我が国初の自動車遠乗会が実施され、日比谷公園を出発した御一行が目的地としたのが谷保天満宮だった。そして、梅林における食事会の席上において日本初の自動車倶楽部であるオートモビル・クラブ・ジャパンが設立され、自動車の将来について語り合われた。宮様をはじめとする一行は拝殿にて昇殿参拝の後、無事帰路につかれ、このエピソードが谷保天満宮=交通安全祈願発祥の地となる所以となった。
谷保天満宮旧車祭は、日本自動車文化発祥の地とも呼べる谷保天満宮の存在を後世に伝える目的で実施されており、今年で8回目(自動車遠乗会から108周年記念)となった。初回から観覧無料であること、国立の大学通りを中心とした近乗会を行なうことなどを特徴としており、会場を3つとした今回も数多くの参加者、見学者が訪れた。
当日のタイムスケジュールを説明しておくと、谷保天満宮の境内では10時半から宮司による挨拶や交通安全祈願、そして、我が国初のガソリン自動車であるタクリー号を模した子ども神輿の入場/設置などを含むオープニング・セレモニーが実施された。
その後、展示車両の安全祈願があり、ランチタイムを梅林や愛車の近くなどで楽しんだ参加者たちは、14時にスタートとなる近乗会を堪能した。
今年は第1会場(谷保天満宮)に約120台、第2会場(JA東京みどり)に約30台、第3会場(富士見台駐車場)に約30台の新旧車両がディスプレイされたが、近乗会では境内以外の場所に展示された歴代名車、旧車、スーパーカーも順次出発し、大学通りで快音を響かせた。
約180台もの歴代名車、旧車、スーパーカーが公道を疾走する姿は圧巻なので、まだ見たことがないという方は、交通安全祈願を兼ねて来年のイベントを見学してみるといいだろう。ここではイベントのハイライトと、参加した主な車両をご紹介する。
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国立市にある谷保天満宮は、交通安全祈願発祥の地として知られている。
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展示車両は各々指定された時間帯に入場し、所定の場所に駐車した。
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境内では同じメーカー車が並べられた場所もあり、意匠の違いを楽しめた。
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谷保天満宮の長い参道が、この日ばかりは参加した旧車で埋め尽くされた。
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アウトドア感満点の4輪駆動車は参道の一角にあるオフロードにて展示。
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タクリー号(我が国初のガソリン自動車)を模した子ども神輿も登場。
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実行委員長を務めるオートモビル・クラブ・ジャパンの是枝氏から挨拶。
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谷保天満宮の権禰宜である菊池茂氏が108年前の遠乗会について解説した。
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境内に展示された1台1台のクルマに対して宮司が交通安全を祈願。
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梅林に有栖川宮威仁親王殿下台臨記念の石碑があり、名所となっている。
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交通安全祈願発祥の地であることを示す看板が境内に掲げられていた。
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今年も東京發動機愛好会の有志によるデモンストレーションが行なわれた。
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オープニング・セレモニー後から加藤健二郎氏が各所でバグパイプを演奏。
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天満宮から歩いて3分ほどの場所にあるJA東京みどりが第2会場となった。
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今年は第2会場の真横にある富士見台駐車場が第3会場として用意された。
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第2、第3会場では「やぼ天神太鼓」らによるパフォーマンスを楽しめた。
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第1、第2、第3という3つの会場を回るスタンプラリーが行われた。
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スタンプラリー制覇者には、ポストカードやハンドタオル等をプレゼント。
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谷保天満宮とJA東京みどりを結ぶ無料のタクリー(TAXI)が用意された。
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国立駅と谷保駅の間は昭和レトロバスの日野RC700型が無料で運行された。
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午後から各車がエンジンルームを任意で公開するプログラムがあった。
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14時からの近乗会は、タクリー号(実動レプリカ)が先導車を務めた。
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近乗会は国立駅の南口と谷保駅の北口を往復するルートで行われた。
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中身を日本車にしたナッシュ・メトロポリタンは軽快な走りを披露。
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一般車に交ざるかたちで往年のダットサン・ブルーバードが疾走した。
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アルファ・ロメオ2000トゥーリング・スパイダーは1961年型だった。
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センスよくモディファイされたシトロエンDS21も快調に走っていた。
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フェラーリ308GTSのような懐かしのスーパーカーも近乗会を盛り上げた。
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今年で8回目ということもあり、数多くの観衆が沿道から見学していた。
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ミゼットなどを従えて走っていたのは1972年型ボルボ1800ES。
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1927年型オースチン・セブンは、今年のLa Festa Mille Migliaでも完走した。
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ダットサン16型(1937年に登場)のような戦前の国産車も参加した。
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駅前ロータリーを回るルートなので多様なクルマのすれ違いを楽しめた。
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一般車が混ざらないタイミングでは、見渡すかぎり旧車が走っていた。
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ブレスの加藤代表は1964年型オースチン・ヒーレー3000 Mk-3で参加。
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ランボルギーニ・カウンタック5000QVは子どもたちから一番人気。
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今年は2台のカウンタック5000QVが参加し、沿道の観衆を魅了した。
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ホンダGL1500のエンジンを搭載しているアメリカ製のパルスは1989年型。
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R33型スカイラインGT-Rのような高年式車も参加し、近乗会を堪能。
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Ruuさん(帽子デザイナー)が主宰する100%PARADEは助手席で参加。
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参加者たちは谷保駅のロータリーで谷保天満宮のお土産を受け取った。
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第1会場展示:1970年型 スバル360ヤングSS
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第1会場展示:マツダ・コスモスポーツ
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第1会場展示:1970年型 トヨタ2000GT
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第1会場展示:1972年型日産スカイライン2000GT
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第1会場展示:トヨペット・クラウン
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第1会場展示:スズキ・セルボ
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第1会場展示:1955年型 フォルクスワーゲン・タイプI
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第1会場展示:1953年型 メルセデス・ベンツ170S
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第1会場展示:1991年型 ポルシェ928S4
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第1会場展示:メルセデス・ベンツ190E 2.5-16 エボリューションII