ボナムス・ディセンバー・セール

2016.12.7 ロンドン／イギリス
1月のスコッデイル・オークションを皮切りに、世界各国で数多くのオークションを開催してきたボナムスの2016年を締め括るのがデッセンバー・セールだ。ちなみにボナムスはこのディセンバー・セールを含めて19回開いている。

 
庶民的な車両からプレミアム・モデルまでを取り扱うボナムス・オークションの、2016年最後の開催となるのがデッセンバー・セールだ。地元ロンドンのウエスト・ケンジントンにあるオリンピア見本市会場を舞台に、現実的な車両を中心とした82台と、数多くのオートモビリアとモーターサイクルが用意された。

庶民的な車両が中心とは言うものの、1年を締め括るセールだけに、それなりに決めのクルマも用意されていた。ここでの高額落札ベスト6を記すと、1967年型アストン・マーティン DB6 4.2ℓ ヴァンテージ・スペックの5183万円をトップに、1971年型ディーノ 246GT／4780万円、1966年型アストン・マーティン DB6 オートマティック／3119万円、1918年型スタッツ・ベアキャット・ランブルシート・ロードスター／3086万円、1972年型ポルシェ 911S 2.4／2925万円、1938年型アストン・マーティン 2.0ℓ 15/98 スポーツ・ツアラー／2856万円という結果となり、6台中3台がアストン・マーティンというところにイギリスらしさが見えてくる。

この中でディーノ246GTが現在の相場よりかなり高いが、ちゃんと理由がある。当時アールズコート・ショーに展示された右ハンドル仕様そのもので、2010年にレストアが施されていることに加え、かつてロブ・ウォーカーが所有したヒストリーを持つため、イギリスのオークションだけにより一層ヒートアップしたようだ。ポルシェ911Sも高額で終わっているが、こちらも希少な右ハンドルのため人気を集めた。

一方で安い側のトップ3は、1990年型ジャガー XJ6 2.9ℓの5万円、1986年型ミニ・ピカデリー／19万円、1991年型ローバー・ミニ・クーパー／47万円と順当な結果となった。今回はバーンファインドや要レストア車はほとんど無く、普通の状態のクルマがほとんどだった。

全体的に見ると絶対的な価値が確定しているクルマは高価でも落札されるが、評価が固まっていないマニアックなモデルでは、最低落札額が高いと売れ残ってしまう傾向にある。またシアタ・ダイアナ・グランスポルト・タイプ A バルケッタやフェラーリ512BBi、ランチア・デルタ HF インテグラーレ・エヴォルツィオーネ1などは、買う側のイメージより高かったようで流れている。これらに限らず、以前にも増して価格とコンディションがシビアにチェックされる傾向が強まってきたといえよう。