ダチア・サンデロ1.0SCe
公開 : 2016.12.14 05:30 更新 : 2017.05.29 18:46
とはいえ、燃費やエミッションの改善は大きく、フォード・カー+あたりのライバルに対抗しうるレベルに達した。新エンジンの存在意義は、そこにこそある。サンデロの格安Bセグメントにおけるアドバンテージは、新たに登場した安価ながら走りも乗り心地も優れたフォードに脅かされているからだ。
ただし、今回のマイナーチェンジで変更されたメカニズムはこのエンジンのみで、シャシーなどには手が加えられていない。つまり、走りは相変わらず楽しめないままだ。ハンドリングにエキサイティングさは一切望めないが、これも価格を考慮すれば、精確なだけで御の字かもしれない。
サスペンションはソフトで、乗り心地に不満はない。挙動も安定しており、低い速度域では粗を出さないのだが、やや飛ばすと綻びが見えてくる。
Ka+に対して明らかに優位なのは、価格とスペースだ。後者については、小型車では特に後席へしわ寄せが来るものだ。
しかし、サンデロは背の高いボディゆえに頭上が広く、レッグスペースも苦痛を覚えるほど狭くない。荷室も、大型のスーツケースをふたつは優に呑み込む。バック・ドア開口部に大きな段差があるのだけは、どうにもいただけないのだが。