BMW M140i
公開 : 2016.12.14 05:50 更新 : 2017.05.23 10:23
■どんな感じ?
よりハイチューンとなった3.0ℓターボは、なるほどM2とダイレクトに比較すればトップ・エンドの ‘ひと伸び’ がわずかに落ちる感がないわけではない。
いずれにしても、これほどハイチューンの直6そのものが貴重。全開時のトルク・カーブはいかにも今っぽいフラットな台形をしているが、実際に回すと、回転の上昇につれて、きっちりとサウンドをレスポンスを積み増ししていくドラマはある。
体感的なエンジン性能はM2に遜色ない。その気になれば、全幅まで広げてワイド・トレッド化したM2でも即座に後輪グリップを失わせる底力をもつだけに、ノーマルと同じボディを使うM140iでも、基本的にエンジン過剰なクルマであることに変わりない。
ただ、節度をもったトライビングを心がけるかぎり、トラクション不足を感じるようなことはない。
ダンパーやステアリングに他の1シリーズにも用意される可変機構が標準で備わるが、セッティングは専用。基本的にはバシッと引き締まってタイトな設定で、ダンピングをコンフォートにしておけば、このレベルの高性能車としては快適な乗り心地で、鋭い凹凸に対するアタリの丸さは印象的。
ただ、そのぶんバネに対するダンピングが不足するシーンもあり、全体のバランスは硬いモードにするほど良好になる。
バリアブル・スポーツ・ステアリングは、手首ひとつでグイッと曲がる鋭さを見せるものの、ちょっと勝手に曲がっていく不自然な感覚は以前ほどではないが皆無ではない。昔気質のドライバーにはちょっと気になるかもしれない。