キア・オプティマGT
公開 : 2016.12.16 05:20 更新 : 2021.03.05 21:36
耳に届くのはリアルなエンジン・ノイズではなく、ダッシュボードに内蔵されたアクティブ・サウンド・システムなる音声発生装置による合成音なのだ。
確かに聴覚的には楽しめるのだが、走行モードがノーマルでもスポーツであっても、やりすぎの感は否めない。ボリュームが大きすぎるのはもちろん、音作りが下手で不自然なのだ。ボリューム調整や停止はできないものかとスイッチを探したが、悲しいことにどこにも設置されていなかった。
エンジンそのものは、活発に走れるという以上のポテンシャルを有するもので、軽々と6000rpm以上へ達する。しかし、一般的な4気筒ターボがたいていそうであるように、もっとも力強さを発揮するのは低中回転域だ。
トランスミッションは6速ATで、MTは用意されない。内製だというギアボックスには、エンジン性能の向上に合わせた多少の改修が施された模様。
とはいえ、ハーフ・スロットルからの増速時には素晴らしい変速を見せるものの、シフトの速さやロックアップは一貫性に欠ける。
低回転域では緩くゴムっぽい感触で、マニュアル・モードではダウン・シフトの際に、遅れや唐突さがしばしば見られる。急がず流している分にはまっとうに機能するが、熱く攻め込もうとするほどに、レスポンスの悪さが気になってしまう。
乗り心地やハンドリング、ステアリングのインプレッションにあたっては、簡潔に述べるに留めておくことにする。理由はふたつ。
まず試乗車の18インチ・ホイールにはウインター・タイヤが装着されていたが、実際に販売されるものはこれと異なるスポーツ・タイヤが装着される予定であること。
もうひとつは、アダプティブ・ダンパーのソフトウェアが、英国向けの右ハンドル車では、その仕様に最適化してプログラムを書き換えられること。
これらの変更で、シャシー面はかなり様変わりすることが予想されるため、ここで厳密な評価をするのはナンセンスだ。