キア・オプティマGT
公開 : 2016.12.16 05:20 更新 : 2021.03.05 21:36
欧州本土仕様のサスペンション・セッティングで、走行モードはエコもしくはノーマルを選んだ場合、乗り心地は穏やかで従順だが、不正路面に入ると途端に硬さや不快な突き上げに苛まれるようになる。
スポーツ・モードでは当然ながら硬さが増し、細かい振動はますます増えるが、その煩わしさは長距離乗るのが苦痛に思えてくるほどだ。
ウインター・タイヤの弊害だろうか、グリップ限界は低く、ステアリングへのフィードバックも弱い。しかしながら、ボディ・コントロールは立派なもので、適切なタイヤを履けばはるかに素晴らしいだろうと期待させるに十分だった。
■「買い」か?
起亜の内部筋によれば、オプティマGTには2種類のグレードが用意され、安い方は£30,000(444万円)をわずかに超える価格設定になるという。
かつてならフォード・モンデオST220やアコード・ユーロRあたりがライバルとなっただろうが、このクラスのスポーツ。セダン市場は今や下火で、直接的な競合車種は見あたらない。
Dセグメントのオプティマとは車格が完全に一致するわけではないが、辛うじて挙げるとすれば、Cセグメントのスコダ・オクタビアvRSかアウディS3セダンが比較対象か。となると、あまりにも強敵すぎる。なにより、このカテゴリーにおいて、欧州メーカーは長年凌ぎを削ってきており、その経験を通じて蓄積したノウハウはあまりにも豊富だ。キアにとって、超えるべき壁はとてつもなく高い。
オプティマGTは、最終仕様とは異なるシャシーでの初試乗ではあったが、起亜が欧州市場でも洗練度が高く、ハードルの高いカテゴリーに挑む道筋を未だ模索している段階にあることを十分に感じさせた。
これを変えていくためには、ドイツから招いた高名な軍師に、今後より多くの教えを乞うことになるだろう。
■日本版編集部の見立て
だた安いだけでヨーロッパでのセールスを伸ばしてきたキアにとって、オプティマGTは低価格ではない新たな市場を開拓する使命を持たされたクルマでもある。しかし、総合評価は芳しくない。とは言え、この先の奮起を期待したい。
キア・オプティマGT
価格 | 約£30,000(444万円) |
全長×全幅×全高 | NAmm |
最高速度 | 240km/h |
0-100km/h加速 | 7.4秒 |
燃費 | 12.2km/ℓ |
CO2排出量 | 191g/km |
乾燥重量 | 1580kg |
エンジン | 直列4気筒1998ccターボ・ガソリン |
最高出力 | 245ps |
最大トルク | 35.7kg-m |
ギアボックス | 6速オートマティック |
▶ 海外初試乗 / スコダ・オクタビアvRS 230
▶ 海外初試乗 / ヴォグゾール・インシグニア2.0 CRDi 170