アルファ・ロメオ・ミト1.3 JTDm-2 85スプリント
公開 : 2012.01.15 09:52 更新 : 2017.05.29 18:25
■どんなクルマ?
アルファ・ロメオは、より安く入門的な価格を与えたミトをラインナップに加えた。それは100g/kmを切るCo2排出量を誇る1.3リッターのディーゼル・モデルであり、ラインナップ中、最も安く質素な装備を備えたモデルである。そのエンジンは、フィアット・プントやヴォクゾール・コルサに搭載されているものとほぼ同じではあるが、最高出力と燃費が若干異なる。ミトは95g/kmのCo2排出量をマークするが、これは道路税とロンドンの渋滞税から免除される数値だ。また、燃費も32km/l以上とアナウンスされている。
■どんな感じ?
しかし、実際にはこのエコ・モデルには失望を感じ得ない。トルクの出ない低回転域では、ターボチャージャの効きが鈍く、ミトの5速トランスミッションのギアレシオとの組み合わせも適切とは言えない。特に渋滞ではいらいらすることになる。6速のギアボックスがあれば、ある程度このことは解消されると思うのだが、残念ながら6速ギアボックスはこの1.3ディーゼルには用意されていないようだ。
また、スポンジーなステアリングと、もたつきを見せるエンジンのストップ・スタート・システム、そして粗野なサウンドを奏でるエンジンなども不満点である。高速道路におけるロードノイズの侵入も問題点のひとつであろう。
乗り心地は、スポーツカー的といえるが、落ち着きがないともいえる。しかし、舗装路や街中のドライビングは、チャレンジングだ。フロントエンドのグリップが素晴らしく良いため、ワインディングロードでのドライブを楽しいものとしてくれる。
一方、インテリアではクルーズコントロール、ブルートゥース、エアコンなどが標準装備され、シート・ポジションは素晴らしいが、そのクオリティに関しては、同じディーゼル・エンジンのアウディA1やミニに対して劣ると言わざるを得ないだろう。
■「買い」か?
1.3 JTDmはミトで最高のモデルではない。但し、コンペティティブな価格が魅力の1台だ。160kmにおよぶ様々なテストを行ったが、実質23km/lを記録したのも立派な数値だ。
しかし、アウディやミニといったドイツ車が価格とクオリティの妥協点を巧く見つけているのに対し、ミトはそういった面ではあまり達者でないということが残念だ。
(アレックス・カーステン)
アルファ・ロメオ・ミト 1.3JTDm-2スプリント
価格 | 14,450ポンド(1,734,000円) |
最高速度 | 173km/h |
0-100km/h加速 | 12.9秒 |
燃費 | 33.4km/l |
Co2排出量 | 95g/km |
乾燥重量 | 1150kg |
エンジン | 4気筒1248ccターボディーゼル |
最高出力 | 85bhp/3500rpm |
最大トルク | 20.5kg-m/1500rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |