フォルクスワーゲン・アマロック3.0 V6
公開 : 2016.12.19 05:20 更新 : 2017.05.29 18:56
8速ATはギア比が適切で、これもエンジン・ノイズを抑える一因だ。また、スロットル・ペダルを軽く踏んだ際にも好レスポンスを見せる。低いギアでの発進加速時に大きくスロットルを開くとしゃくりが出るなど完璧ではないものの、エンジンとのマッチングは抜群だ。
ステアリングは軽いもののダイレクトで、タイトなコーナーでも街乗りでも使いやすい。ロールは穏やかで、抑えが効いている。乗り心地は、リアにリーフ・スプリングを用いていることを考慮すれば良好といえる部類だが、日産ナバラNP300のマルチリンク・サスペンションほどではない。
舗装の状態が悪く、しかも空荷だと、リアはなかなか落ち着かないが、不安を覚えるまでには至らない。浅い轍などは上手くいなすが、大きなくぼみとなると唐突で鋭い振動がキャビンを震わせるのだ。
トラックとしてのキモとなる、積載能力についても見ていこう。荷台は、左右ホイール・ハウス間にユーロ・パレット(フォーク・リフトで荷物を運ぶ際の木製の台で、ユーロ規格のもの)がピッタリ収まる。
積載重量は1114kgで、日産ナバラを上回り、ハイラックスと同等だ。ただし、レンジャーの1240kgの前にはやや霞んでしまう。牽引重量は3100kg。これは3200kgのハイラックスや、3500kgのナバラ、レンジャー、いすゞD-Maxに一歩譲る。
インテリアのテイストは、見慣れたゴルフに似たところがある。つまり、造りやレイアウトは優れているが、デザイン性には欠けるということだ。
ダブルキャブの前席は広々としているが、後席は様相が異なる。脚回りや肩回りは成人3人乗車に十分なスペースが確保されているものの、頭上空間はかなり厳しい。