ポルシェは歴史を捨て去った? 911RSR「ミッドシップ化」の覚悟を直撃
公開 : 2016.12.20 04:45 更新 : 2017.06.01 00:33
最新の911RSRは、RRの歴史を簡単に捨て去った?
「かなりセンシティブな議論が常にありましたね」
彼は、決して明るいとは言えない表情で、当時のディスカッションを振り返る。
単にエンジンの位置を変えるというだけではなく、伴って、ボディ構造やサスペンション、エアロ・パッケージ、6速シーケンシャル・ギアボックスを再設計しなければならなかったことも、そんな表情の理由だろう。なんと、従来のマシンからキャリー・オーバーしたのは、ドア・ハンドルだけなのだという。
議論の末にゴー・サインがでたのは、やはり、エアロダイナミクスの向上が、同クラスで勝ち抜くための必須課題だということが、ライバルの走りっぷりを見ても明らかだったからだそうだ。
「エンジンの位置を変えることで、安定感が増したというのも重要なポイントですね」とヴァリザー。
「あとはタイヤの摩耗です。重量配分が変わったおかげで、本当に減らなくなりました」とも。
デビューはデイトナ24時間レース
2台のファクトリーカーがデビューするのは、来年1月下旬のデイトナ24時間レース。すでに3万2千kmを超えるテスト走行を終えている。
ヴァリザーは「いやぁ、すばらしい出来栄えですよ」と自信満々に答えてくれる。
「まずは、24時間を技術的問題なしに走り抜けることができればいいですね。そうすれば、トップ3は狙えるのではないでしょうか」とも。