BMWの後輪駆動は4気筒でホイールベースの内側にエンジンがほぼおさまるレイアウト。それが3気筒となると、エンジン本体はバルクヘッドにめり込んだように後退搭載されることになる。

ここまで鼻先が軽いと、さすがに市街地でも、身のこなしは明らかに軽快で、3シリーズの新しい顔が見えた気がする。今回は試せなかったが、山坂道のコーナリングなどではこれまでにない次元の回頭性を見せる可能性が高い。

■「買い」か?

現在は国内でも3シリーズの売れ筋は320iではなく、圧倒的に320dだそうである。なので、この318iが出ても3シリーズの販売勢力図ががらりと変わるかどうかは微妙なところだ。

また、動力性能はもちろん必要十分だが、直接比較すれば320iとの性能差ははっきりと存在している。高速から山坂道まで、このクラスならではの余裕を見せるバランスの良さではいまだ320iに分があり、ハードウエアのバランスと完成度では、320iの存在価値はきちんとある。ただ、318iと320dにはさまれてしまうと、今後は商売的に320iはより売りにくくなるだろう。

というわけで、新しいカタチで復活した318iは「現行3シリーズの決定版!」とまではいえないが、縦置き3気筒の後輪駆動Dセグメント・サルーン／ワゴン……というハードウェア構成には、その軽快なハンドリングも含めて、ちょっと新しい可能性は感じる。

BMW X1 xDrive18d

価格	5,110,000円
全長×全幅×全高	4645×1800×1460mm
ホイールベース	2810mm
乾燥重量	1620kg
エンジン	直列3気筒1498ccディーゼル
最高出力	136ps/4400rpm
最大トルク	22.4kg-m/1250-4300rpm
ギアボックス	8速オートマティック
サスペンション	ダブル・ジョイント・スプリング・ストラット / 5リンク
ブレーキ	ベンチレーテッド・ディスク / ベンチレーテッド・ディスク
タイヤ	225/50R17 / 225/50R17
燃費(JC08モード)	17.0km/ℓ