ルノー・ゾエR90
公開 : 2016.12.26 05:30 更新 : 2017.05.29 19:22
航続距離の大幅な改善と変わらぬ強み。ゾエはこれまでになかったほど、より多くのユーザーにアピールできるEVとなった。
■どんなクルマ?
2009年、画期的な日産リーフが登場したとき、われわれはEVへの不安や誤解を鎮めるために示されたデータにうんざりしたものだ。
例えば、世界中のユーザーの70%以上の一日の移動距離が160km程度以下であるというデータ。これを前提とすれば、メーカーが謳う200kmという航続距離はとても実用的なものに思えてくる。
しかしながら、ずば抜けた柔軟性があってこそ、そういったデータが示されるのである。
自動車の概念が過去100年にわたって成功を収めてきたということを考慮できていない証拠だ。
自由にどこでも好きなように移動するには、耐え難い不便さはできるだけない方がいい。早い話、あと30%弱の、航続距離を物足りないと思うユーザーが存在することが問題なのだ。
それ以降、数多くのメーカーが何年にもわたって、ひとびとの航続距離に関する不安に取り組んできた。BMWと日産は、最近になってピュアEVの性能を進歩させている。
だが、本当に長距離と呼べる距離を走ることができるEVを販売しているのは、今のところテスラくらいのものだ。モデルSのエントリー・モデルとなる60kWh仕様は、およそ430kmの走行が実際に可能なのである。
ありがたいことに、この状況にルノーがゾエR90の投入で異を唱えた。