英国での販売価格は、上記したテスラより£35,000(505万円)近く安いが、理論上では一充電あたりの航続距離が400km強に達する。

実用上では300km程度になる見込みだが、それでも従来の20kWh仕様よりは130km近く航続距離が伸びており、ルノーは「メインストリームの電気自動車としてはもっとも優れた航続距離」だと豪語する。

この距離拡大は、従来から容量を41kWhに倍増しながら、サイズも重量も増加していないバッテリーの恩恵だ。これは容量拡大を、セルやモジュールの追加ではなく、セル毎のエネルギー密度を高めることで達成したため。

おかげで、既存のコンパクトなバッテリー設置スペースはそのままに、性能向上が可能になったのである。

付属の7kW急速充電器は、残量ゼロからのフル・チャージが3〜4時間で完了する。またナビゲーションのソフトウェアを更新し、充電ポイントへのアクセスを特別な操作なしに表示するようになったため、航続距離の心配は過去のものになった、とルノーは説明する。

■どんな感じ?

リーフの容量拡大版でわれわれが批判したのは、低容量版に対し21kg増加した重量であり、それにより、ただでさえプアなボディ・コントロールがますます悪化することである。

このゾエなら、その点は心配ない。また従来モデル同様、R90のコーナリングは鋭く、走りはフラットでアンダーステアも少ないが、それらはルーテシアよりも低い重心高が一因だ。