サンヨン・ムッソEX
公開 : 2016.12.28 05:20 更新 : 2021.03.05 21:35
■どんな感じ?
このクラスのなかでムッソは、もっとも安価なモデルの1台だ。よって、ダッシュボードのデザインが改められたと書いたばかりだが、見た目は相変わらずチープであることを否定できない。
ただ、ドライビング・ポジションは高く、見晴らしはいい。前後ともにたっぷりとしたスペースが確保されているのも、このクルマの売りである。後席へのアクセスもしやすく、なかなかの広さである。
一方のディーゼル・エンジンは以前に増してうるさい。もともとは商用車であることを気づかされる瞬間で、荷物を載せていると、なおさらそう感じる。
パワーがあることはたしかだが、エンジンに生き生きとした様子はまるでないし、先代より速いと感じることもない。ターボ・ラグも少なくなく、4WDではあるもののトラクションにも期待できない。
燃費はわずかに先代より改善されているようで、CO2排出量も202g/kmまで低減している。ただ、ライバルの成績には遠く及ばない。市街地ではエンジンが大きな音をあげることはないが、高速域になると耳障りな音が響く。ドア・ミラーが要因のウインド・ノイズも盛大である。
ライバルの多くがリアにリーフ・スプリングを採用するのに対して、ムッソはマルチリンク式のサスペンションを用いる点に期待していたのだが、これもまた乗り心地に大きな影響を与えているわけではない。
多大なボディ・ロールに悩まされ続けるし、手元にもそれらしいフィードバックが伝わってくるわけでもない。敏しょうであるわけでもない。スムーズな道以外は、けっこう上下に跳ねる。
ただし6速のオートマティックだけは、間違いなく先代よりも良くなってる。ギア・レシオを見直したことで、高速域に要らぬ心配をする必要がなくなった。
またオートマティックを組みあわせるモデルならば、最大牽引重量が2.7トンから3.0トンまで拡大される。ライバルに近い数字である。