2016年12月 自動車販売台数ランキング

2017.01.12

2016年の新車販売は5年ぶりの500万台割れ。12月単月では好転の兆しも

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2016年の全体での国内新車販売は、前年比1.5%減の497万198台と2年連続での前年割れ、しかも東日本大震災があった2011年以来5年ぶりの500万台割れとなった。カテゴリー別では、登録車が同3.0%増の324万4798台と2年ぶりにプラスに転じたものの、軽自動車は同9.0%減の172万5400台と2年連続でのマイナス。新車販売に占める軽自動車の割合は34.7%と、ここ10年で最低のレベルに落ち込んだ。この結果について業界団体の関係者は、「軽自動車は2015年4月の増税の影響が長引いているのに加え、燃費データの不正問題の影響で三菱自動車のeKシリーズや日産自動車のデイズ・シリーズが2カ月あまりも販売できない状況となり、年間での販売台数は前年割れとなってしまった。一方で登録車は、新型に切り替わったトヨタプリウスシエンタの販売が好調に推移し、さらに日産がセレナやノートe-POWER、ホンダがフリード、富士重工業がインプレッサといった売れ筋の新型車を相次いで投入したことから前年超えを成し遂げたが、軽自動車のマイナス分まではカバーできなかった」と解説。今後については「市場での消費マインドが依然として低調なため、厳しい状況が続きそう。安全装備の拡充で全体として車両価格が上がっていることも、購入意欲の面でマイナスポイント。ただし、2016年12月単月の新車販売はトータルで前年同月比7.6%増(39万7532台)と2カ月連続でのプラス、登録車が同10.8%増(26万4938台)と5カ月連続でのプラス、軽自動車が同1.7%増(13万2594台)と24カ月ぶりのプラスとなり、好転の兆しも出始めている」と分析した。

車名別ランキングでは、12月単月で首位が3カ月ぶりにホンダN-BOX、第2位が前月から1ランクアップしたトヨタ・プリウス、第3位が首位から陥落した日産ノートがランクインする。この結果、年間通しての車種別成績は、4年ぶりにトヨタ・プリウスが首位に輝き、続く第2位には前年と同じくホンダN-BOXが、第3位には前年の首位から後退したトヨタ・アクアが入った。トップ10を一覧すると、HV専用またはHVを中心に据えた登録車が5車種で、残り5車種が軽自動車。ユーザーの低燃費志向、そして節約志向は依然として続いているようだ。また、トップ10のうちで前年比を超えたのは登録車が3車種(トヨタ・プリウス/トヨタ・シエンタ/日産ノート)に達したものの、軽自動車はホンダN-BOXのみ。“登高軽低”の傾向は車種別の成績にも明確に表れていた。

2016年12月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 トヨタ プリウス 12,776
2 日産 ノート 12,403
3 トヨタ アクア 11,449
4 トヨタ シエンタ 9,640
5 ホンダ フリード 8,870
6 トヨタ ヴォクシー 7,096
7 ホンダ フィット 6,220
8 トヨタ ルーミー 6,100
9 日産 セレナ 6,068
10 トヨタ タンク 5,932
11 トヨタ カローラ 5,547
12 トヨタ パッソ 5,269
13 トヨタ ヴィッツ 5,156
14 ホンダ ヴェゼル 4,907
15 トヨタ C-HR 4,654
16 トヨタ ヴェルファイア 4,648
17 トヨタ ハリアー 4,560
18 スバル インプレッサ 4,343
19 トヨタ ノア 4,334
20 日産 エクストレイル 3,851
21 マツダ デミオ 3,685
22 スズキ ソリオ 3,681
23 トヨタ エスクァイア 3,005
24 トヨタ アルファード 2,884
25 トヨタ クラウン 2,873
26 ホンダ ステップワゴン 2,770
27 ホンダ シャトル 2,398
28 ホンダ オデッセイ 1,936
29 スバル レヴォーグ 1,878
30 トヨタ プレミオ 1,701

輸入車の年間の新車販売は2年ぶりに前年超え。ブランド別ではメルセデス・ベンツが2年連続の首位

輸入車の新車販売は、回復基調が鮮明となった。12月単月の外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比3.2%増の3万106台と、9カ月連続での前年超え。日本メーカー車含でも同4.1%増の3万3492台とプラスを記録する。これで2016年通年の外国メーカー車の成績は前年比3.4%増の29万5114台となり、2年ぶりにプラスを達成。日本メーカー車含でも同4.6%増の34万3673台と好成績を残した。また、登録車に占める輸入車のシェアは9.1%と過去最高レベルを成し遂げる。市場の動きに関してJAIA関係者は、「排出ガス規制不正問題による影響でフォルクスワーゲンアウディの苦戦が続いたものの、それ以外の主要ブランドは新型車、とくにディーゼル車やSUV(スポーツユーティリティビークル)のニューモデルが販売を伸ばし、好成績につながった。価格帯では400万円未満のクラスが同8.3%減となったものの、400万円以上1000万円未満のクラスは同13.5%増、1000万円以上のクラスは同23.7%増という2桁の伸びを示した」と解説。2017年については、「環境対応車やSUVのラインアップがさらに充実する見込みなので、販売は堅調に推移すると思われる。また、フォルクスワーゲンとアウディのブランド力の回復、輸入車販売の中心を占める400万円未満クラスの復調といった点が注目ポイントになるだろう」と予想した。

外国メーカーのブランド別成績は、12月単月で首位がメルセデス・ベンツで22カ月連続、第2位が前月と同ランクでBMW、第3位がやはり同ランクでフォルクスワーゲンが位置する。この結果、2016年通しての順位は、トップが2年連続でメルセデス・ベンツ、第2位が6年ぶりでBMW、第3位が22年ぶりの後退でフォルクスワーゲンとなった。また、第4位には前年と同じくアウディが入ったものの、第5位のBMWミニとの差は3954台と、前年の8331台から大幅に縮小する。トップ5以外では、ジーププジョーフィアットアバルト、DSなどのブランドが前年比で2桁増を達成。さらに、スマートは同345.5%、ジャガーは同113.7%の大幅増を記録した。

年間のモデル別販売台数では大異変が起きた。1988年の調査開始以来トップを守り続けてきたフォルクスワーゲン・ゴルフが首位から陥落して2位となり、代わってBMWミニがトップについたのだ。現行ゴルフの日本発売が2013年6月に対し、現行BMWミニは2014年4月と、デビュー時期の違いもあるが、フォルクスワーゲンの排出ガス規制不正問題もゴルフ販売に少なからず影響を及ぼしたようである。

2016年12月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー 12月 2016年累計
1 Mercedes-Benz 7,270 67,386
2 BMW 5,190 50,571
3 VW 4,180 47,234
4 Audi 2,773 28,502
5 BMW MINI 2,739 24,548
6 Nissan 1,273 18,225
7 Toyota 1,301 15,877
8 Volvo 1,719 14,914
9 Jeep 853 9,392
10 Suzuki 531 9,026
11 Peugeot 699 7,403
12 Porsche 600 6,887
13 Fiat 684 6,717
14 Renault 520 5,304
15 Mitsubishi 277 4,637
16 smart 556 4,508
17 Land Rover 348 3,259
18 Jaguar 367 2,883
19 Ford 42 2,225
20 Citroen 299 2,009
21 ABARTH 165 1,857
22 Alfa Romeo 184 1,767
23 Maserati 223 1,323
24 DS 127 1,129
25 Honda 4 794
26 Ferrari 75 678
27 Cadillac 67 635
28 Chevrolet 60 593
29 Bentley 76 434
30 Lamborghini 23 382
31 BMW Alpina 30 342
32 Dodge 31 340
33 Chrysler 26 283
34 Rolls Royce 23 223
35 Lotus 13 197
36 Aston Martin 19 186
37 Mclaren 20 179
38 Hyundai 15 169
39 Scania 8 104
40 GMC 8 51
41 Rover 6 45
42 Lancia 4 23
43 Hummer 12
44 Autobianchi 11
45 MG 11
46 Buick 1 10
47 Morgan 1 10
48 Unimog 2 8
49 Bugatti 2 5
50 Pontiac 5
51 Maybach 3
52 PROTON 3
53 Detomaso 2
54 Mini 2 2
55 Saab 1 1
56 Innocenti
57 Kia
58 Opel
59 RUF
Others 55 349
合計 33,492 343,673
文・大貫直次郎

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