困ったら耳栓　以上で問題解決である

パワートレインは、長距離クルージングも難なくこなす。ほかの2台よりワイド・レシオのギアボックスと太いトルクを兼ね備えるおかげで、高速道路をゆったりと走ることができるのだ。

ただし、静粛性とは無縁のクルマだ。

吊り下げ式で、踏み込みストロークの深いスロットル・ペダルを踏み込めば、スーパーチャージャーはゴミ箱にはまってひっくり返った5歳児のような叫びを挙げ、だれも座らぬ助手席のシート・ベルトがカチコチのシートを打ち据える。

しかし、それは覚悟の上。文句を言う前に、耳栓を用意すれば、あっという間に問題解決である。

最後尾から、モーガン3ホイラーとケータハム・セブン310Rを観察

一般道では3台で隊列を組み、ノマドはそのしんがりに付いたが、そこは絶好の観客席となった。まず注目したのは、小さなモーガン3ホイラーからはみ出した帽子の男だ。きわめて公平なロード・テスターである彼は、追い越しにはパワーがまったく足りないという制約との折り合いを付けようと必死だ。

そして、その試みが見事に成功していたことをお伝えせねばなるまい。3輪のモーガン3ホイラーは、他のドライバーには真似できないような操縦によって、右に左に車体を傾けながら穏やかに遅い車列をすり抜けていくのだ。

その前方に低く構えるケータハムは、スピーディに向きを変え車間に食い込んでいく。ラウンダバウトやジャンクションでの身のこなしにも一切の無駄はない。

そうこうしているうちに、一行は白亜とチーズの地に到着した。