排ガス不正疑惑に揺れるフランス
公開 : 2017.01.18 04:10 更新 : 2017.06.01 00:31
フランスのルノー、そしてシトロエン、DS、プジョーを傘下に持つPSAという2つの大きなメーカーに対し、排ガス不正疑惑があると報じられた。現時点ではフォルクスワーゲンが行った不正ソフトウェアのようなものは見つかっていないが、フランス自動車界は、暫くはこの問題で揺れ動きそうだ。
ルノーに排ガス不正疑惑があるとしてフランス・パリの検察当局が捜査を開始したと伝えられた。この情報が伝わると、ルノーの株価は一時4.3%も下落した。
しかし、ルノーは、「ルノーはフランスおよびヨーロッパのレギュレーションに従っており、ルノーの車両はすべてがホモロゲーションを獲得している。また、ルノーの各車両は、排ガス規制をクリアするための不正なソフトウェアを使用していることは一切ない。」とコメントしている。
一方、フランスの新聞、ル・パリジャンによれば、シトロエンC4カクタスの最新モデルが、エミッションに関して詳細な調査受けているという。というのも、BlueHDi 100を搭載したモデルがエミッション・テストで例外的な数値をマークしたからだという。
欧州委員会(ヨーロピアン・コミッション)に委任された研究センターが昨年12月に行ったロードテストでは、NOxの放出量が本来の80mg/kmではなく585mg/kmを記録したという。その上、実験室内のテストでも、17°から23°という条件下で、許容範囲の3倍ものNOxが検出されている。
シトロエン、DS、プジョーの親会社であるPSAグループは、副大統領のクリスチャン・チャペルにことの詳細を既に伝えているという。
PSAグループのスポークスマンは、「今後、委員会のあらゆる調査に協力する」とし、C4カクタスが基準値を大きく上回った結果については「たいへん驚いている」とコメントしている。
環境大臣のセゴレーヌ・ロワイヤルも、「規制値以上の数値がルノーのクルマから検出された事実はあるが、ルノーがフォルクスワーゲンのように不正行為をしたという証拠はない。」と語っている。