三菱eKスペースTセーフティ・パッケージ2WD

公開 : 2017.01.26 05:50  更新 : 2017.05.29 19:26

■どんな感じ?

従来はカスタムにしか用意されていなかったターボ・ユニットが標準モデルにも設定されるようになったのもトピックだ。また、ターボ・ユニット自体も、今回からアイドリング・ストップに13km/h以下になるとエンジンを停止するコースト・ストップ機能が追加されている。これがパワートレインの唯一の変更点になる。

64ps、10.0kg-mというパワー、トルクの数値は、軽自動車の満額回答。このターボ・ユニットは、中低速域でのトルクフルさが大きな魅力だ。しょうがないことではあるが、さすがに3000rpm以上回すと途端に騒々しくなるが、普通の街中では2500rpm程度を目安に回してあげれば済むので、室内に入り込むエンジン音は許容範囲だ。また、そのぐらいの回転数を目安に加速してやれば、メーター・ナセル内にあるエコ・マークも、一番エコな走りをしてますよ、ということを知らせる星3つ(実際には葉っぱ3つ)が点灯したままだ。もちろん、この2500rpm以下での加速で街中では十分である。ちなみに、高速道路で80km/h巡航時での回転数は1800rpmだった。

eKスペースの最大の魅力は、ハイトワゴンならでは室内の広さだ。室内高1400mmという高さは、普段ドライブしている時にはなんでこんなにヘッドクリアランスが必要なのと思えるほどだが、これはドライバーというよりも、後席で子供なら立ったままで着替えができる高さということだ。また、リア・シートの260mmというスライド量も凄いのひとこと。リア・シート後ろに荷物は積めなくなるが、一番後までシートをずらしてやれば、メルセデス・ベンツSクラスを越えるニースペースが確保される。

確かに規格サイズが決められていて、その中で各メーカーが凌ぎを削ってスペース・ユーティリティの確保を第一に開発しているハイトワゴンなので、各メーカーのモデル毎に大きな違いがあるわけではないが、それでもクラストップの室内空間をもっていることは確かだ。

また、このeKスペースがライバルに対して違いを感じるのはその足まわり。各メーカーのターボ・モデルはゴツゴツとした足まわりが多い中にあって、比較的ソフトな足まわりが与えられている。これは、特に街中を中心に使う向きにはありがたい、と言えるだろう。また、ソフトだからといって、高速コーナーでふらつくようなこともない。

燃費は街中半分、高速半分という使い方で、クルマに搭載されていた燃費計は16.2km/ℓだった。カタログ数値のJC08は22.2km/ℓだったが、実燃費がJC08の7掛けとするとまずまずの数値でないだろうか。そもそも、エンジン・キャパシティが小さい軽自動車故に、エンジンをガンガンまわすか、常にエコ運転をするかで燃費は大きく変わることになる。実燃費はドライバーの運転の仕方次第でもあるのだ。


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