ルノー・トゥインゴ・ゼン
公開 : 2017.01.28 05:50 更新 : 2017.05.29 19:22
■どんな感じ?
今回試乗したのは、新しいトゥインゴのゼンでも、エンジンも変速機もカタログ・モデルでは初出(にして一部マニアには待望の)となる1.0ℓ自然吸気の5MTだ。
輸入車ではもっともアンダーパワーに属する1台なので、他メディア試乗記では “遅い!” と断じられているケースも多い。しかし、冷静に考えて、この種のベーシック・スモールカーとして絶望的に遅いわけではない。
71ps/9.3kgmに960kgというパワー/トルク・ウェイト・レシオを国内で買える同等車と比較すると、フォルクスワーゲンUp!に少しゆずるが、あくまで誤差範囲といえる僅差でしかない。国産車の例だと、トヨタ・ヴィッツ1.0ℓとほぼドンピシャ。この事実からも「実用で困るほど遅くない」のは容易に想像できる。
実際、今回の試乗コースとなった昼間の都心や首都高速で、後続車にあおられて冷や汗をかくケースは皆無だった。
まあ、5MTなので適切なギアを自分で選ぶ必要はあるが、慣れてしまえば、デキの悪いロボタイズドMTやルーズなCVTよりよほど滑らかに小気味いい。それこそが日本でわざわざトゥインゴのMTを買う意義だろう。シフトレバーの感触もまずまず理性的で、クラッチ結合ポイントも手前すぎずに扱いやすい。