ボルボV90クロスカントリーD5
公開 : 2017.01.31 05:50 更新 : 2017.05.29 19:07
突起や水たまりがあっても、ダンパーは、突然のタテ方向の突き上げをいなすような素晴らしい仕事をする。標準車に比べて重心が高いためハードなコーナリングではわずかにロールするとしても、長距離クルーザーとしての魅力があるため、大きく足を引っ張らない。
残念ながら、試乗車はスタッドレス・タイヤを装着していたので、英国の田舎道での振る舞いは確認できなかったが、凍結した湖面、整地されていない氷結路面であってもクルマの動的性能の高さは伺えた。
雪道だと一度スライドしたあと、リアが流れやすい傾向にあるものの、小さなアングルのスライドならばコントロールできるし、予測もできる。大きく車体がスライドした時には積極的にスタビリティ・コントロールと、賢いAWDが制御してくれるため心強い。
以上のように、たまにびっくりするような挙動も示すが、クロスカントリーはスムーズに運転している分にはベストに思える。
ひらけた道では、D5ディーゼルのエンジン音は聞こえなくなり、室内は十分静か。冬タイヤに起因するロード・ノイズも最小だ。長距離クルーザーとして見過ごせないクルマである。